政治・社会

震災対応へのなりふり構わぬ擁護論について

水曜日 早いもので阪神淡路大震災から29年、もう来年には30年目という節目の年を迎えます。今回の北陸大震災のように元旦でこそありませんでしたが、まだ正月気分の名残も残っている時期でした。 当時のことでとても印象に残っていることの一つは、もっとも…

「私のままで走りたい」

木曜日 -NHK Eテレ 2023年8月11日 「ドキュランドへようこそ 私のままで走りたい―性別を疑われた女性アスリートたち―」 スポーツにおける「性別」というカテゴリーがはらむ問題をとりあげたドキュメンタリー。原題は「カテゴリー:女性」。「女子スポーツ」…

事件に政治的意味を付与しようとしているのは誰?

日曜日 安倍元首相が殺害されてから1年がすぎたということで事件を振り返る記事や番組がいくつか出ています。そのうちNHK総合で放送されている「かんさい熱視線」の「銃撃事件1年 暴力の連鎖を生まないために」に気になるところがありました。 www.nhk.jp 番…

滝山病院関連番組

日曜日 6月27日の「クローズアップ現代」枠で放送された「精神科病院でなにが…追跡・滝山病院事件」を見ました。 www.nhk.jp すでに今年の4月にETV特集で「ルポ 死亡退院〜精神医療・闇の実態」(こちらも録画して視聴しました)としてとりあげられていた東…

震災関連番組2本

水曜日 阪神淡路大震災に関連したNHKスペシャル2本を録画して視聴しました。 www.nhk.jp www.nhk.jp 後者のテーマ、建物の耐震化という課題については従来から認識していたのですが、「盛り土」の問題が阪神淡路大震災でも現れていたというのは被災当事者な…

「日本一長く服役した男」

土曜日 なぜか NHK のサイトにきちんとした番組の情報が残っていないので、番組表のスクリーンショットを貼ります。 「日本一長く服役した男」 「仮釈放になってすぐに出てくることができる」という誤解が広まっている「無期懲役」についての問題提起……のは…

時事通信「 朝鮮人虐殺から97年、記憶の継承に妨害も」

月曜日 関東大震災時の朝鮮人虐殺とその記憶の継承について、時事通信がそこそこ踏み込んだ記事を発信していましたのでご紹介します。 -47NEWS 2020年9月14日 「朝鮮人虐殺から97年、記憶の継承の妨害も 関東大震災直後、官憲の隠蔽で全貌見えず」(アーカイ…

優生保護法被害訴訟、東京地裁でも請求棄却判決

火曜日 旧優生保護法下で意に反する不妊手術をされた被害者が起こした国賠訴訟については、昨年5月に仙台地裁で原告敗訴(優生保護法の違憲性は認められるも請求棄却)の判決が下りましたが、本日6月30日、東京地裁でも請求棄却という結果になりました。弁護…

左右の非対称性について

水曜日 自称中立な人々が右派の失態を否認しきれなくなったときによく持ち出すのがいわゆる「どっちもどっち」です。もちろん、右派であれ左派であれ同じ人間である以上、同じような錯誤を犯すことがあるということはできますが、当たり前過ぎて無意味な言明…

「心の狭い学究」健在なり!

月曜日 先週末に SNS を中心に「検察庁法改正案」に対する異議申し立ての声があがり、新聞やテレビもとりあげる事態になったことはみなさんご存知のとおりです。黒川東京高検検事長の定年を脱法的に延長した際にはこれほどの批判は沸き起こらなかったことを…

「鯛は頭から腐る」を地で行く話

水曜日 -『女性自身』 2020年4月28日 「コロナ専門家有志の会「#うちで治そう」ひっそり撤回に批判の声」 このブログで『女性自身』の記事を引用する日がやってくるとは……。もっとも、『女性自身』は2016年10月4日号が黒川開拓団“性接待”事件に関する平井美…

ハンセン病「特別法廷」で違憲判決

水曜日 ハンセン病患者の男性が隔離された「特別法廷」での裁判で死刑となった「菊池事件」につき、元患者6人が国に賠償請求を求めていた裁判で、熊本地裁は本日請求棄却の判決を下しました。ただし「特別法廷」での裁判が憲法違反であるとする原告の主張に…

「ガラパゴスと評されている」ことは認識できても「ガラパゴスである」ことが認識できなくなっている……

火曜日 -毎日新聞 2020年1月22日 「大津園児死傷 地裁、被告の保釈取り消し 論告求刑やり直しの見通し」 このニュースにはさすがに驚きました。「起訴内容を争う」とはいっても事故を起こしたこと自体を否認しているのではなく、先行する報道によれば事故に…

牧野雅子氏インタビュー記事

日曜日 -弁護士ドットコムニュース 2019年12月24日 出口絢「痴漢冤罪の責任は、女性にあるのか? まず目を向けるべきは「ずさんな捜査」の問題だ」 『刑事司法とジェンダー』(インパクト出版会)の著者で先日『痴漢とはなにか 被害と冤罪をめぐる社会学』(…

「裁判員裁判10年 ~死刑判決はなぜ覆るのか~」

金曜日 「NNNドキュメント'19」で6月9日深夜に放送された「裁判員裁判10年 ~死刑判決はなぜ覆るのか~」。サブタイトルが示唆するように一審の死刑判決を覆した上級審に批判的なスタンスを基調とした内容だが、私には元裁判員たちの発言よりも元職業裁判官…

『記者襲撃』

日曜日 ・樋田毅、『記者襲撃 赤報隊事件30年目の真実』、岩波書店 もうかれこれ一年くらい前に刊行されかなり話題になったものだが、ようやく手を伸ばした。まとまった書評にはならないがいくつか雑感を。 本書に登場する人物は一部を除いて仮名にされてい…

ロッキード事件は遠くなりにけり

スポニチ 2018年12月19日 籠池夫妻「安倍首相バンザイは間違いだった」 籠池夫妻はどうでもいいんだけど。 両被告の安倍晋三首相への批判も続く。「森友・加計問題が国会で散々論議されたことを身の恥と思い、首相を辞めるべき」とし「ロッキード事件で田中…

「「使命を終えた「博覧会」」

歴史的に見て、博覧会が時代の文化や人々の意識に大きな影響力を持っていたのは、一八五〇年代から第二次世界大戦までの間である。もともと博覧会とは、フランス革命後のパリに誕生し、十九世紀を通じて欧米各地に広がったイベントの形式である。なかでも一…

「未解決事件 File.07」

NHKスぺシャル「未解決事件 File.07 警察庁長官狙撃事件」 地下鉄サリン事件が起きた95年は個人的にはなによりも阪神淡路大地震が起こった年で、事件の一報は雨漏りを始めた自宅から家財を運び出す作業をしている真っ最中だったことを今も記憶しています…

「清と濁 イタイイタイ病と記者たちの50年」

6月10日に放送された(再放送6月17日)NNNドキュメント'18の「清と濁 イタイイタイ病と記者たちの50年」、通常の30分枠なのが残念に思える内容でした。 長年イタイイタイ病を取材してきた元記者のこの言葉、他の様々な問題にも通じますね。 ところで、三井…

「ご飯論法」といえば……

“働かせ方改悪”法案をめぐる質疑における加藤加藤厚労省の答弁が「ご飯論法」だ……という批判が話題になってますね。それを受けて第二次安倍政権に「ご飯論法」が蔓延しているのではという指摘もあります。 私も一つ、類似の例を思い出しました。 防衛庁防衛…

『壊れる男たち』

(ツイッターでこの本が話題になっているのを見かけたので、旧ブログの記事をサルベージ。初出は2006年4月7日。) 金子雅雄臣、『壊れる男たち—セクハラはなぜ繰り返されるのか―』、岩波新書 著者は東京都の「女性相談窓口」などで労働相談の仕事に携わって…

控訴審で証拠としてもよいくらいの仰天記者会見

すでにはてブで簡単にコメントした件ですが。 京都新聞 2017年11月07日 「「理解追いつかず」 青酸事件で裁判員会見、専門家求める声」 長期審理だったが、女性裁判員は「評議や意見交換の機会があり、心理的・精神的負担は少なかった」と振り返った。青酸を…

「母は死刑囚〜息子が語るもう一つの和歌山カレー事件」

MBS「映像'17」 2017年6月25日(日) 深夜(26日未明)0時50分〜 「母は死刑囚〜息子が語るもう一つの和歌山カレー事件」 和歌山毒カレー事件も再審請求中(和歌山地裁が請求を棄却した後、弁護側が即時抗告)の事件ですが、なにぶん主たる争点であるヒ素の同…

沖縄「復帰」関連番組

本日、5月15日は沖縄の施政権がアメリカから変換されて45年目となる日であるわけですが、ご承知の通りこの「復帰」の意味を問わざるをえない状況は続いています。 NHKは「復帰45年」にあわせた番組を本日2つ放送しますが、「意識」に焦点をあわせた番組予告…

悪用される公文書至上主義

産経ニュース 2017.5.12 「関東大震災「朝鮮・中国人虐殺」の政府関与「見当たらず、遺憾の意表明予定なし」 政府答弁書閣議決定」 「そもそも」という単語の意味さえ変えようとするなどもはや「勅令かよ!」感を滲み出しつつある安倍政権下の閣議決定ですが…

“最大の謎”には触れず

相模原大量殺傷事件で被疑者が起訴されたタイミングで、NHK総合の「時事公論」がこの事件をとりあげました。措置入院制度を強化しようとする厚労省の目論見を批判している点はよいのですが、肝心要のところには踏み込まずに終わった感があります。ネットの殺…

気持ちはわかるがそれが通用する相手かどうか……

ヒューマンライツ・ナウの伊藤和子弁護士が先日こんなツイートをしていた。 佐々木議員も言う通り、慰安婦問題とAV強要は全然別問題。 AV出演強要という、今ここにある深刻な人権問題について、いろんな方が純粋に取り組んでいるというのに、政治的にゆがん…

なんか似たような話がなかったっけ?

産経ニュース 2017.1.18 竹島に慰安婦像 韓国の恥をさらす暴挙だ 私は否応なくあの「尖閣募金」を思い出しますけどね。あれがどれほどの愚挙だったか、しっかり噛み締めてはどうですかね。

意地でも正義を振りかざさせたくないひと

先日放送されていた NHK スペシャルの「ボブ・ディラン ノーベル賞詩人 魔法の言葉」(ちなみに、17日に再放送されるそうです)をいちおう録画しておいたので、ちょっと再生してみたんです。 そうしたら、こんなナレーションが流れ始めたので思わずメモしち…