自白の研究
月曜日 「虚偽自白」を主張し再審請求中の事件について『東京新聞』がとりあげていました。昨月末の記事です。 www.tokyo-np.co.jp (アーカイブ) 弁護団への取材がベースになっている記事であるためその点を割り引いて評価する必要はあるのでしょうが、犯…
木曜日 そもそも静岡地裁の再審開始決定(2014年)に対して抗告したことも、ようやく始まった再審公判で有罪主張に固執したことも恥知らずなのですから、検察の主張の内容が恥知らずでも驚くことはないのでしょうが、それにしてもこの報道には驚きました。 w…
月曜日 nordot.app www3.nhk.or.jp 菊池事件の第4次再審請求で弁護側が立証の柱に据えるのが、元死刑囚(執行済)の親族の証言に関する心理学者の鑑定であることが報じられました。上記2つの記事では鑑定書の詳しい内容はわかりませんが、「菊池事件公開学習…
日曜日 少し前に読んだ小説『蚕の王』が題材としていた二俣事件。“拷問王”紅林警部らによる自白の強要を告発した警察官のことも描かれていたが、その妻がまだ存命で秦融氏によるインタビューに答えた記事が公開された。秦融氏は「湖東記念病院事件」を取材し…
土曜日 newsdig.tbs.co.jp 今朝の『朝日新聞』(大阪本社)でも一面トップで報じられていたニュースですが、袴田事件の再審公判で検察が有罪立証を行うのではないか、というものです。もっとも東京高裁による再審開始の決定に対しても当初特別抗告を行う方針…
水曜日 さる6月5日、福岡高裁宮崎支部は大崎事件の第4次再審請求即時抗告審で再審開始を認めない決定を下しました。 nordot.app この決定については弁護側はもちろん、『東京新聞』の社説などが批判しています。 www.tokyo-np.co.jp 弁護団の反応については…
木曜日 (飯塚事件にはいわゆる「自白」はありませんが、冤罪(疑惑)事件全般に「自白の研究」タグを用いています) nordot.app 予定されていたことではありますが、飯塚事件の再審請求審で、弁護側の「新証拠」となる証言がなされました。元死刑囚とは大き…
火曜日 -黒川みどり『被差別部落に生まれて 石川一雄が語る狭山事件』、岩波書店、2023年5月 www.iwanami.co.jp 近代部落史の専門家による「狭山事件」論の試み。とはいっても本書ではあらためて狭山事件が冤罪であることを証明しようとする努力がなされてい…
火曜日 -安東能明『蚕の王』中央公論新社、2021年 戦後まもない1955年に静岡県で起きた二俣事件を題材とした小説。名前こそ仮名になっているが「昭和の拷問王」も登場する。冤罪被害者の雪冤に尽力したとして清瀬一郎がかなり美化されている点はかなり鼻白む…
火曜日 nordot.app 1966年に静岡県の一家4人が殺害された事件で死刑が確定した後、釈放された袴田巌さん(87)を支援する複数の団体は18日、再審公判の早期開始や有罪立証の放棄などを求める要請書を静岡地検に提出した。 袴田さんの再審を巡っては10日、裁…
土曜日 www3.nhk.or.jp 見出しにある通り裁判所が検察に証拠開示を勧告したというニュースですが、それ以外に注目すべき点があります。 また、裁判のやり直しを求めた今回の2度目の申し立ての際、証拠とした新たな証言について、目撃者の男性の証人尋問が実…
月曜日 digital.asahi.com www3.nhk.or.jp 朝日新聞の速報は高裁の判断の理由に触れていませんが、NHKによれば東京高裁も「5点の衣類」が捏造証拠だという可能性を指摘したようです。 問題は検察が特別抗告するかどうかです。2014年の静岡地裁の決定からすで…
digital.asahi.com 大津地裁の決定に対する検察の即時抗告を大阪高裁が退けました。主たる争点であった自白の信用性に関する大津地裁の判断については、10日ほど前に記事になっていました。引き当て捜査の際に被疑者が現場に警官を案内できたことの評価をめ…
水曜日 -朝日新聞Digital 2023年2月13日 「1984年の滋賀「日野町事件」 27日に再審可否判断へ 大阪高裁」 digital.asahi.com 1984年に滋賀県日野町で酒店経営の女性(当時69)が殺害され、金庫が奪われた「日野町事件」で、強盗殺人罪で無期懲役判決が確定し…
土曜日 NHKスペシャルの「未解決事件」シリーズ第9弾のうち12月29日放送の第2部ドキュメンタリー「74年目の“真実”」をみました。 www.nhk.jp 重要な資料として紹介されている「甲斐捜査手記」は明治大学平和教育登戸研究所資料館が2018年に開催した「帝銀事…
木曜日 袴田事件において、事件発生から1年2ヶ月後に“発見”された5点の衣服。検察は当初の主張を変更しこれらが犯行時に着用されていたとしてきたわけですが、それらに付着していた血痕の「色」をめぐる争いに決着がつく可能性が出てきました。 弁護側は一貫…
月曜日 今月の14日に「産経ニュース」に掲載されたコラム「増える黙秘…供述引き出す力 落ちていないか」が最悪でした。 www.sankei.com 「弁護士がついた瞬間に黙秘に転じる」から「弁護士がつく前にいかに供述を引き出せるかが勝負」だという「警察関係者」…
火曜日 冤罪被害者と弁護人を支援する組織「イノセンス・プロジェクト・ジャパン」が無償支援の拡充のためクラウド・ファンディングを行っています。期限は今月末までとのこと。 readyfor.jp
実際には紛失していなかった拳銃弾について取り調べられた巡査長が奈良県を訴えている事件、取り調べの音声データを関西テレビが報じました。すでに記事は削除されていますがアーカイヴで書き起こしを読むことができます。 なんとも恐ろしいのが次の箇所です…
金曜日 湖東記念病院事件で、西山さんがまだ服役中だったころから取材を開始していた中日新聞取材班の取材過程が昨年暮れに書籍となり、本田靖春ノンフィクション賞を受賞しました。 -中日新聞編集局滋賀・呼吸器事件取材班デスク秦融『冤罪をほどく “供述弱…
水曜日 (飯塚事件の場合「自白」はありませんが冤罪事件/冤罪疑惑事件を扱う際のタグとして「自白の研究」を用いています。) 9月25日(日)24時55分から放送の「NNNドキュメント'22」は「死刑執行は正しかったのかIII〜飯塚事件・真犯人の影〜」です。 ww…
金曜日 そもそも「事件」が存在しなかったという、お粗末極まる冤罪未遂事件です。 nordot.app(アーカイブ) 本日付の産経ニュースによれば奈良西警察署の副所長らが訓戒処分とのことですが、処分理由は紛失していない銃弾を紛失したと誤認したことについて…
金曜日 去る6月22日、鹿児島地裁は大崎事件の第4次再審請求を棄却する決定を下しました。 mainichi.jp 再審で検察が有罪立証を放棄するケースが度々あり、再審請求審が事実上の再審の場となっていることの弊害という側面もあるように思います。本来なら再審…
木曜日 過去にこのブログで2度ほど言及した今市事件について、DNA鑑定で足利事件の再審無罪を導いた本田克也・筑波大元教授らが発言している動画がありました。 www.youtube.com 本田元教授が指摘したのは(1)被害者の遺体に付着していたガムテープから女性と…
火曜日 今週はNHKが冤罪疑惑事件についての番組を2本放送します。いずれも自白のない事件ですが、便宜上「自白の研究」タグを用いています。 まずは明日20日放送予定の「クローズアップ現代」。 www.nhk.jp もう1つは23日にBS1スペシャルとして放送されるこ…
金曜日 昨日3月3日、名古屋高裁は名張毒ぶどう酒事件の第10次再審請求審(異議審)において最新を認めない決定を下しました。弁護側は特別抗告する方針です。 www.47news.jp 再審請求が第10次にまで及んでいることは、この事件に関心のないひとにとってみれ…
日曜日 (自白のない事件ですが、便宜上「自白の研究」タグを用いています) FBS福岡放送が飯塚事件に関する連載を始めています。 www.fbs.co.jp www.fbs.co.jp 日本テレビ系列の地方局ですので、ひょっとすると「NNNドキュメント」で番組になるのかもしれま…
金曜日 東住吉事件と大崎事件に関する最近の動向です。 まず青木恵子さんが起こしている国賠訴訟については、裁判所が和解を勧告したものの、被告側の拒否により決裂となる見通しです。 www.mbs.jp (アーカイブ) 当初私も「和解なんて勧告せずにさっさと原…
火曜日 『文春オンライン』に、元刑務官の坂本敏夫氏に取材した木村元彦氏の記事が掲載されています。 bunshun.jp bunshun.jp 拘置所の対応についてのはなしはほとんどが初耳でした(予想外ではありませんでしたが)。 袴田さんがクーラーを初体験して驚いて…
次回、12月5日深夜(6日未明)のNNNドキュメントは1年前に亡くなられた免田栄さんを取り上げるそうです。 www.ntv.co.jp 放送されたらこの記事に追記します。