左右の非対称性について

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水曜日

 

自称中立な人々が右派の失態を否認しきれなくなったときによく持ち出すのがいわゆる「どっちもどっち」です。もちろん、右派であれ左派であれ同じ人間である以上、同じような錯誤を犯すことがあるということはできますが、当たり前過ぎて無意味な言明でもあります。

他方、右派と左派の間であきらかな非対称性がみられる事柄はいろいろあります。その一つが最近またネットを賑わしました。法華狼さんによる整理を拝借いたします。

-法華狼の日記 2020年5月4日 「間抜けたことを言っているのを見たくない」という理由で芸能人の政治的発言を嫌がる人物が、「表現の不自由展」について語っていたこと

左派がウヨった芸能人の「政治的な発言」を批判することはしばしばありますが、「政治的な発言をしたという事実」を批判した例はちょっと思い出せません。ところが、これは“芸能人が政治的な発言を許容するかどうか”をめぐる非対称性ではありません。というのも、右派はウヨった芸能人の右派的な発言にはまったく文句を言わないからです。

つまりここにあるのは「誰にでも政治的発言をする権利はある」という立場と、「ウヨくない芸能人の政治的発言だけは許さない」という立場との非対称性だ、ということになります。