自白の研究

飯塚事件、警察官が容疑者の車を「下見」か?

(この事件には「自白」は存在しませんが、便宜的に「自白の研究」タグを用いています。) 西日本新聞 2017年12月22日 飯塚事件、目撃証言警察が誘導? 弁護団「聴取前の下見報告書存在」 この事件で有罪判決の根拠とされた目撃証言については、被疑者=死刑…

湖東病院事件、高裁でも再審開始の決定

先月の記事で言及した、滋賀県・湖東病院で患者の呼吸器を外して死亡させたとして有罪判決が下っていた事件の第二次再審請求は、大阪高裁での即時抗告審で再審開始を認める決定が下りました。自然視した可能性があるという医師の意見書とともに、やはり供述…

菊池事件国賠訴訟、口頭弁論始まる

こちらは実現していない“再審”に関わる裁判です。 毎日新聞 2017年11月27日 菊池事件 「救済されず置き去り」初弁論で原告 熊本地裁 ハンセン病患者とされた男性が殺人罪などに問われ、無実を訴えながら死刑執行された「菊池事件」で、元ハンセン病患者6人…

松橋事件、検察の即時抗告を棄却

朝日新聞DIGITAL 2017年11月30日 「自白全体の信用性揺らぐ」 松橋事件、高裁も再審認める 熊本県松橋(まつばせ)町(現・宇城〈うき〉市)で1985年に男性(当時59)が殺害された「松橋事件」で、福岡高裁は29日、殺人罪などで服役した宮田浩喜(こ…

再審請求関連情報

いわゆる「恵庭OL殺人事件」について、日弁連が再審請求(今回で二度目)を支援することが、昨月25日に発表されています。当ブログでは以下の記事でこの事件を取り上げています。 http://d.hatena.ne.jp/apesnotmonkeys/20140422/p1 http://d.hatena.ne.jp/a…

「記憶違い」としてありうるもの・ありえないもの

自白や証言に客観的事実との齟齬がある場合、それが記憶違いに由来するのか、それとも嘘に由来するのか……。これは当ブログが主題としてきた歴史認識問題でも、また刑事裁判でも問題となることです。発言の「意図」は観察可能な対象ではないものの、「記憶違…

野次と自白の強要

安倍晋三が街頭演説に対する野次にナーバスになっているという件、SNSなんかではいろいろ揶揄の対象となっているようです。なにせ当人が国会では下劣な野次を飛ばしまくってるわけですから、街頭演説で野次られるのも、野次を気にするのを嗤われるのも自業自…

栃木女児殺害事件、控訴審始まる

(この事件については詳しく調べたわけではなく、個人的に「冤罪である」との感触を持っているわけではありません。念のため) 新聞報道によれば争点は「DNA型鑑定の結果をどう評価するか」「取り調べの録画をどう評価するか」ということになりそうです。 弁…

飯塚事件関連情報

飯塚事件弁護団(編)『死刑執行された冤罪・飯塚事件〜久間三千年さんの無罪を求める 〜』、現代人文社 飯塚事件は、足利事件と同時期に同じ科警研によって行われた DNA鑑定が問題となった。鑑定の誤りが明らかになった足利事件は再審無罪となったが、無実…

恵庭OL殺人事件・再審請求審でも恒例の「証拠隠し」

(自白のない事件ですが、便宜上「自白の研究」タグを用いています) window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createElement(s); js.id = …

NNNドキュメントで飯塚事件が再びテーマに

(飯塚事件についてはいわゆる「自白」はありませんが、冤罪事件一般を扱うタグとして「自白の研究」を用いています) 日本テレビ系列 2017年9月3日(日) 24:55(4日0:55)〜 NNNドキュメント'17 「死刑執行は正しかったのか? 飯塚事件 冤罪を訴える妻」 2…

これでも「少年法は未成年を甘やかしてる」?

朝日新聞DIGITAL 2017年8月10日 「地獄見せてやるよ、おお?」 警官の暴言、録音公開 警視庁高井戸署員が2015年、当時中学3年の少年2人の任意聴取中に「高校に行けなくしてやる」と脅したとして、2人の父親が10日、都内で会見し、少年1人が録音し…

『読売新聞』連載「再審無罪」

『読売新聞』(西部朝刊)の連載シリーズ[道あり]で、「再審無罪」と題して免田栄さんに関する全5回の連載が掲載されていました。6月6日から6月10日までです。 1948年12月、熊本県人吉市で起きた強盗殺人事件「免田事件」。6度にわたる再審請求の末…

大崎事件で再審開始の決定

再審請求人の原口アヤ子さんは一貫して否認してきましたが、「共犯」とされた親族が「自白」しているためこのタグを用います。 再審開始決定の要旨はこちら。供述分析の意義が認められているのが目を引きます。 当ブログでこれまで大崎事件に言及したのは以…

『「自白」はつくられる』

浜田寿美男、『「自白」はつくられる―冤罪事件に出会った心理学者』、ミネルヴァ書房、2017年2月 ミネルヴァ書房のPR誌『究』での連載がベースとなったもの。著者がこれまで関わった事件・裁判を振り返りつつ「供述分析」についての著者の最新の知見が語られ…

供述分析に依って無罪判決が下ったケース

自白の信用性が否定され、放火殺人事件について無罪判決が下った事例が弁護士ドットコムNEWS で紹介されています。 弁護士ドットコムNEWS 2017年06月24日 「取り調べ可視化」で冤罪防げるか 自白場面の映像分析、無罪勝ち取った弁護士に聞く この無罪判決に…

捜査の手段が否認への罰に

MBS NEWS 2017年6月1日 「「ごめんなさい」と言ってほしい、無罪ミュージシャン」 大阪のミュージシャン、SUN―DYUさん(26)。5年前、泉大津市のコンビニエンスストアで1万円を盗んだ罪に問われ300日以上身柄を拘束されました。店のドアからS…

「獄友たちの日々」

ETV特集「獄友たちの日々」 「布川事件」の桜井昌司さん、杉山卓男さん(故)。「足利事件」の菅家利和さん。いずれも再審によって無罪が確定したえん罪被害者である。さらに再審決定により釈放された「袴田事件」の袴田巖さん、仮釈放され再審を求めている…

やはり張り込みにはアンパンだった!

昨月、鹿児島地裁である事件への無罪判決が下りました。 朝日新聞DIGITAL 2017年3月24日 車内から発泡酒を盗んだとして窃盗罪に問われた鹿児島県伊佐市の男性(51)に、鹿児島地裁加治木支部は24日、無罪(求刑懲役1年6カ月)を言い渡した。車は、車上…

自白を疑う判事もいた東住吉事件

TOKYO Web 2017年2月27日 大阪女児焼死 最高裁判事が「冤罪」意見 退官で書面が幻に 昨年八月に再審無罪となった大阪市東住吉区の小六女児死亡火災で、母親青木恵子さん(53)の無期懲役がいったん確定した二〇〇六年の最高裁決定を巡り、直前まで裁判長だ…

再審関連報道3つ

産経ニュース 2017.2.13 ロシア人再審、3月に無罪判決 北海道警おとり捜査公判 通常、冤罪といえども意図して無実のひとを陥れようとして起きるわけではないのですが、このケースは捜査当局が“犯罪”そのものをつくりあげたという、きわめて悪質なケースです…

録画してもなお自白強要

日本経済新聞 2017/1/27 映像で不適正捜査発覚 長崎県警、自白強要など 長崎県大村市で昨年1月に起きた傷害致死事件の捜査で、長崎県警が逮捕した男性(53)に自白を強要したり、否定した内容を一方的に調書に記載したりするなど違法性が疑われる取り調べを…

それは取調官の仕事ではない

NHK NEWS WEB 1月26日 殺傷事件から半年 元職員は障害者冒とくの供述続ける (……) これまでの調べで、植松容疑者は、去年1月から2月にかけて障害者に対する危険な言動が目立つようになり、事件の5か月前には衆議院議長に宛てた手紙の中でも障害者やその…

まさか有罪判決下したんじゃないでしょうね?

河北新報 2017年01月18日 <裁判員裁判>経験者「人を裁く怖さ感じた」 裁判官、検察官、弁護士の法曹三者と裁判員裁判の経験者3人が17日、仙台地裁で裁判員裁判の在り方を巡り意見交換した。制度の改善点を探るのが狙いで、同地裁が主催した。 強姦(ご…

誤認逮捕で国賠請求棄却

自白の有無にかかわらず、冤罪事件一般を「自白の研究」タグで扱っております。ご承知おきください。 朝日新聞DIGITAL 2017年1月13日 「コンビニ強盗で無罪確定の男性、損害賠償請求は棄却」 (前略) 男性は2012年6月にレジの現金を奪ったとして強盗容…

「えん罪弁護士」

NHK 総合 11月28日(月)午後10時25分〜 午後11時15分 ブレイブ 勇敢なる者「えん罪弁護士」 「無罪」獲得「14件」。その実績に他の弁護士は「異常な数字」「ありえない」と舌を巻く。“えん罪弁護士”の異名を持つ今村核(いまむら・かく)は、有罪率99.9%と…

検察の悪あがき

静岡新聞 2016/10/22 「血痕DNA鑑定 不可能」 袴田事件・即時抗告審 2014年3月に静岡地裁の再審開始決定で釈放された袴田巌さん(80)の即時抗告審で、東京高検は21日までに、長期間みそ漬けしたシャツの血痕のDNA型鑑定について、新たな実験…

冤罪被害者が国と大阪府を提訴

朝日新聞DIGITAL 2016年10月5日 「強姦再審で無罪、男性が国提訴 公判の違法性訴え」 訴状で男性側は、母親が複数の医療機関に娘を連れて行ったと証言していたのに、捜査機関はカルテの確認を怠った▽受診歴の確認のため、控訴審で弁護側が母娘の証人尋問を求…

映像'16「21年目の暑い夏〜「娘殺し」といわれた母と家族」

MBS毎日放送 9月25日(日) 深夜0時50分〜 映像'16「21年目の暑い夏〜「娘殺し」といわれた母と家族」 再審無罪判決で捜査のあり方が批判されていたのをうけてということなのか、昨年12月に同じ番組でとりあげた際よりも取調べ過程への批判を前面に出した内容…

放送予定「映像'16」

MBS毎日放送 9月25日(日) 深夜0時50分〜 映像'16「21年目の暑い夏〜「娘殺し」といわれた母と家族」 (……) 青木さんは、1995年に起きた自宅の火事で小学6年だった長女・めぐみさんを亡くした。50日後、内縁の夫とともに保険金目的でめぐみさんを殺害したと…