これでも「少年法は未成年を甘やかしてる」?

 警視庁高井戸署員が2015年、当時中学3年の少年2人の任意聴取中に「高校に行けなくしてやる」と脅したとして、2人の父親が10日、都内で会見し、少年1人が録音した聴取時のやりとりを公開した。聴取は同級生に万引きを強要したとして行われたが、警視庁は同日、不適切な聴取を認め、万引きの強要は確認できなかったと説明した。
(中略)
 署員らは2人に黙秘権を告げず、「逮捕状でも何でも取ってやる」「鑑別(所)でも少年院でもぶちこむしかない」「認めないと牢屋に入れる」などと発言。2人は当初、万引きの強要を否定したが、こうした聴取に強要を認め、1人は反省文を書いたという。
(後略)

絵に描いたような自白の強要ですが、警視庁の「署員らが責任感から行った」という弁明は見過ごすことができません。これが悪質な捜査員の暴走ではなく、日本の司法当局の体質に根ざすものであることを示唆しているからです。録音された捜査員の発言には「いまな、ごめんなさいって言えるチャンスをあげてるだけなんだぞ」「向こう(別の少年)は反省、ごめんなさい、反省がちゃんとできてる。てめえだけなんだよ」「お前、俺たちがお前をワナにはめようだとか、そういう風に思ってんのか知らねえけど、俺たちはお前にチャンスを与えているだけの話だから」「てめえはこれから全部書いて、親にもバンと言って、『もう二度としませんから許してください』って言わない限りは、高校行けねえから」など、取り調べを「反省」の場として位置づけていることを示すものが含まれています。このような姿勢が虚偽自白の温床であることは、当ブログにおいて浜田寿美男氏らの見解を引いて何度か指摘してきました。