検察の悪あがき
- 静岡新聞 2016/10/22 「血痕DNA鑑定 不可能」 袴田事件・即時抗告審
2014年3月に静岡地裁の再審開始決定で釈放された袴田巌さん(80)の即時抗告審で、東京高検は21日までに、長期間みそ漬けしたシャツの血痕のDNA型鑑定について、新たな実験を基に「不可能」とする大学教授の意見書を東京高裁に提出した。
(後略)
このシャツとともに発見された“履けないズボン”をめぐっては、袴田さんに有利な証拠を捜査当局が長らく隠蔽していたということが明らかとなっており、原審における検察の主張の破綻は明確になっています。こうした事情も踏まえて2014年3月の静岡地裁の決定は「最重要証拠であった5点の衣類が,袴田のものでも,犯行着衣でもなく, 後日ねつ造されたものであったとの疑いを生じさせるもの」と判断したわけです。いまさらDNA鑑定についてのみ、しかも「袴田さんが犯人ではないことを示す鑑定は不可能」という消極的なかたちでのみ反論したところで、再審開始決定の命令を覆す理由にはなりません。こんなものに2年半の年月と税金を費やしてきたこと自体、国家犯罪のうえに犯罪を積み上げる所業だと言わねばなりません。
また第三次の再審請求申し立てが行われている大崎事件についても、証拠隠しが強く疑われる展開になってきました。
これまでの協議で、検察側は、警察が捜査の初期段階で事件現場の状況などを撮影したネガフィルム46本を開示していましたが、弁護側は、このほかに欠番で存在しないとされていた1本のネガフィルムについても改めて探して開示すよう求めていました。
これを受けて、警察が当時、捜査を担当していた志布志警察署を捜したところ、欠番とされていたネガフィルムが写真室で見つかったほか、同じ場所でこれとは別のネガフィルム17本が発見されたということです。
( http://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/5053549551.html )
「写真室」で見つかったそうですよ! しかも18本も! こんなものを長年探し損なっていた警察がアゲた容疑者が犯人だ、なんて信じられますか?