『読売新聞』連載「再審無罪」


『読売新聞』(西部朝刊)の連載シリーズ[道あり]で、「再審無罪」と題して免田栄さんに関する全5回の連載が掲載されていました。6月6日から6月10日までです。

 1948年12月、熊本県人吉市で起きた強盗殺人事件「免田事件」。6度にわたる再審請求の末、免田栄さん(91)は83年、死刑囚として初めて無罪となった。以来、死刑制度の廃止を、国内外で訴え続けてきた。

このように始まる連載は、死刑廃止のための免田さんの取り組みにも焦点をあてています。

 死刑囚として日本で初めて再審無罪となった後は、社会復帰とともに、死刑制度の廃止などを積極的に世の中へ訴えてきた。1983年の釈放後は、「2か月ほど自宅に戻らなかったこともあった」というほど講演に奔走。北海道から沖縄まで、くまなく巡った。
 2007年10月には、国連本部(米ニューヨーク)で行われたパネル討論に出席した。「冤罪(えんざい)が生まれる可能性がある以上、死刑制度は廃止すべきだ」という訴えに、世界各国から集まった聴衆から大きな拍手をもらった。
(6月10日掲載、第5回)

 最近は、表立った活動はほとんどしない。ニュースで冤罪や再審が報じられても、街行く人の表情から「多くの国民にとっては人ごと」と感じている。それでも、「死刑反対の気持ちはずっと変わらん」。
(6月10日掲載、第5回)

昨日、再審請求中だった死刑囚の死刑執行が明らかとなりました。大崎事件でも検察は2度めの再審開始決定に対して即時抗告するという暴挙に出ています。冤罪の可能性にきちんと向き合おうとしない日本政府に、“執行引き延ばし目的の再審請求”などと主張する資格があるのでしょうか。