2013-01-01から1年間の記事一覧

『ほんとうは 僕 殺したんじゃねえもの』

浜田寿美男、『ほんとうは 僕 殺したんじゃねえもの―野田事件・青山正の真実―』、筑摩書房 同じ著者による他の事件の鑑定書(をベースとした著作)と比べると、法廷供述の分析が占める位置が大きい。「自白が無実を証明する」が法廷供述にもあてはまるからだ…

土用の丑の日シンポ、「ウナギの持続的利用は可能か ーうな丼の未来」

東アジア鰻資源協議会 公開シンポジウム 「ウナギの持続的利用は可能か ―うな丼の未来」 基調講演での塚本勝巳・日本大学教授の提言は次の通りでした(スライドの忠実な引用ではなく要約です)。 1.天然ウナギ 「獲らない、売らない、食べない」 2.異種ウナ…

“期待”を裏切らなかったハフィントンポスト日本版

日本版ができた時に発表された編集長の名前を見て「Blogos みたいなのがまた一つできるの?」と思ってたんですが、案の定 Blogos クオリティですね。 ニホンウナギ 絶滅危惧種指定の危機 IUCNが本格的検討へ これなんかもスゴいです。「絶滅の危機」じゃなく…

集中連載「ウナギが食べられなくなる日」

共同通信の編集委員で、岩波新書『ウナギ 地球環境を語る魚』の著者、井田徹治さんが『NATIONAL GEOGRAPHIC 日本版」のウェブマガジン、『Webナショジオ』で「ウナギが食べられなくなる日」を連載されています。 第1回 乱獲で資源は危機的に、生息地破壊も一…

『証言台の子どもたち』

浜田寿美男、『証言台の子どもたち―〔甲山事件〕園児供述の構造』、日本評論社 (本書で問題とされているのは「自白」ではなく目撃証言ですが、冤罪事件や供述をめぐる問題を扱うエントリに「自白の研究」タグを用いています。) 一度も有罪判決が下らなかっ…

三崎事件再審請求で「被害者と別人」の鑑定書、提出

毎日jp 2013年06月26日 「三崎事件:被害者と別人の血痕 鑑定書、東京高裁に提出」 1971年に発生した三崎事件の再審請求(元死刑囚の遺族が引き継いだもの)において、弁護側は有力な証拠とされた血痕が被害者とは別人のDNA型を示すとする鑑定書を東京高裁*1…

ネトウヨの親玉

毎日jp 2013年06月20日 「ヘイトスピーチ:議員アンケート、回収率1割未満」 「人種差別撤廃NGOネットワーク」が行なった国会議員を対象とするアンケートへの回答率が極めて低かった、という報道です。記事中では「無関心だけでなく、(ヘイト側からの)…

ネトウヨが21世紀に伝承する七平メソッド

http://blog.livedoor.jp/samuraiari/archives/51899645.html さる5月26日の新宿デモ(わが外撲協による「外国人犯罪撲滅国民大行進」)において沿道からしかめっ面で我々の行進に見入る朝鮮人か中国人と思しき者らが何名かいた。他のデモ参加者も同様に…

「警察OBなのに」というより「警察OBだからこそ」

msn産経ニュース 2013.6.13 「「悪意もってつくったとしか…」ずさんな調査 証言から明らかに」 「校長は激怒「最初の調査、府警OB2人は何だった…」」という小見出しからは、当初の調査担当者に大阪府警OBが2人含まれていたにもかかわらず調査が杜撰であ…

じゃあ食わなきゃいいじゃない

Gendai.Net(日刊ゲンダイ)2013年6月17日 「中国人はなぜウナギに毒を入れるのか」 いちおう、今年の2月にうなぎ蒲焼きからマラカイトグリーン(抗菌剤)が検出されていた、ということ自体は事実です。ところで、昨年7月22日放送の「報道ステーション SUNDA…

いろいろまとめて

『セデック・バレ』 Seediq Bale (第一部:『太陽旗』、第二部:『虹の橋』、監督:ウェイ・ダーション、出演:リン・チンタイほか、2011年、台湾) 予想していた以上に、娯楽映画のフォーマットにしっかり落とし込まれていた。考えてみれば「虐げられてい…

今年のウナギ事情、途中経過

ローソンはすでに「ご予約承り中」だそうです。 http://www.lawson.co.jp/recommend/static/unagi/?ca=top_rec_002 吉野屋、すき屋はトップページで堂々と鰻丼をアピール。 http://www.yoshinoya.com http://www.sukiya.jp これまでのところ、上記三社はウナ…

増感ノイズ

私が使ってるデジ一眼は数世代前の600万画素クラスなんですが、それ以上の高画素は必要性を感じないし、単三電池で動くところがなによりも気にいっているのでまだまだ買い替える予定はありません。ただ、最近のデジ一眼で「いいな」と思うのが高感度撮影時の…

事件報道における被疑者の供述には眉唾でのぞむべきことについて

今年の4月にこんな番組が放映されていたことを今頃になって知りました。 2013年4月8日 NHK総合 かんさい熱視線「“虚偽自白”取調室で何が」 今、国の法制審議会で戦後初めてとなる「取り調べの改革」が議論されている。「全てを録音録画すべき」とする弁護士…

アメリカの「ウナギ長者」事情

3月21日づけエントリのコメント欄にて、とらこぞうさんからご教示いただいた件です。5月11日読売新聞朝刊に「米漁師「ウナギ長者」 日本不漁で稚魚が高騰」という記事が掲載されています。とらこぞうさんに記事の存在を教えていただいた時には「アメリカウナ…

最近デジ一眼使ってない……

猫がエアコンの上に昇るようになって困る、ということを一昨年の暮れに書いたのですが、この習慣は現在も続いております。どういうわけか朝と晩、人間が食事をしている時に限って昇るので、「かまえ! 愛玩しろ!」というアピールなのかもしれません。おやつ…

「冤罪半島」!

大崎事件の冤罪疑惑をとりあげた先日のエントリ「再審格差」へのコメント欄でとらこぞうさんにご教示いただいた「再審請求事件における手続き的正義を問う」(指宿信、『世界』2013年5月号)を読んだのですが、大崎町が位置する大隅半島は専門家の間で「冤罪…

「志布志事件10年」

4月14日づけエントリのコメント欄にてとらこぞうさんからご指摘ただいておりますように、朝日新聞が4月16日夕刊から全4回で「志布志事件10年」と題する連載を行なっていました(「聞蔵IIビジュアル」で確認したところ、地元鹿児島では17日朝刊からの連載にな…

ザイトクカイはこの社会の鏡である

The New York Times, April 26, 2013, "In Promoting His City for 2020 Games, Tokyo’s Bid Chairman Tweaks Others" さすが、石原都政を支えた男だけのことはあります。Facebookでは「トルコに行ったこともあり、イスタンブールは個人的にも好きな都市」な…

ここまでのタイガース

今シーズンはまずまずのスタートですよね。打線はまあ低調なりに仕事はしているし、これ以上悪くなる要因も取り立ててない。投手陣は今のところ出来過ぎといえば出来過ぎだけど、しかし実力とはおよそかけ離れた成績なのかといえばそんなことはなくて、ずっ…

生活保護バッシャーの皆さん、出番ですよ!

TOKYO Web 2013年4月19日 「外国人実習の監査形骸化 98%で不正見落とす」 生活保護の不正受給は金の問題じゃない、筋道の問題だ! 警察OBをバンバン雇用して取り締まれ! 100万の不正受給を摘発するのに300万かかったってかまうものか! な正義派の皆さん…

「再審格差」

先週、4月7日(8日未明)放送の『NNNドキュメント'13』は「あたいはやっちょらん」と題して、大崎事件の冤罪疑惑をとりあげていました。 南日本新聞 「特集 再審 大崎事件」 この事件では弁護側が求める証拠開示を裁判所が認めず、それが(弁護側の主張では…

ザイトクカイはここにもいる!

どこに? ここ↓にです。 http://www.city.machida.tokyo.jp/shisei/shiyakusyo/gyomu/kyouiku/ window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.cr…

誰のためのサバイバル・ガイド?

いえ、いまさらのはなしなんですが、サンデル先生のベストセラーのサブタイトルの件です。原題は Justice: What's the Right Thing to Do? ですからサブタイトルは「なすべき正しいことはなにか?(なにをするのが正しいことなのか?)」の意です。でもこれ…

兵庫県小野市が「ディストピア自治体」競争に参入

女性週刊誌が種をまき片山さつきが水やり草抜き施肥して大事に育てた木が、来年度(8月)からの生活保護(生活扶助費基準額)の引き下げに続き、また実を結びました。ええ、あの小野市のクソみたいな条例のことですが。 人権侵害につながる恐れが極めて高い…

逆転無罪最高裁判決について

(被疑者・被告人の「自白」はないケースですが、供述の信用性が争点になった事件ではあるため「自白の研究」タグを用いています。) 今村核弁護士の著書『冤罪と裁判』をとりあげたエントリでも触れた逆転無罪事件について、次のような報道がありました。 …

高知白バイ事件記事ほか

再審請求が行なわれているいわゆる「高知白バイ事件」については、「スリップ痕が偽造された」などとする元バス運転手の主張をテレビ朝日系列のワイドショー「モーニングバード」などが伝えていましたが(今月1日)、昨日発売の『週刊金曜日』936号には、粟…

ビカーラもマルボラータもかけがえのない、固有性をもった種です

「次世代ウナギ」なるフレーズがウナギ業界で用いられているようです。 http://www.suisantimes.co.jp/cgi-bin/column.cgi?d=130218 http://www.news-postseven.com/archives/20130321_177510.html “旧世代”ウナギたるジャポニカ種はただ消えゆくのみ、とい…

今春のイカナゴ状況

今年の2月に兵庫県がイカナゴ(シンコ)の漁況予報を出していたのですが、それによれば播磨灘、大阪湾、紀伊水道のいずれでも、平年を下回っていた昨年をさらに下回る見込み、とのことでした。私が住んでいる界隈でも、「過去最高値」という水準ではありませ…

2年ぶり

前にこのカテゴリでエントリ書いたのは11年の5月……ってことで昨年は完全にお休みしてたことになります。 昨年のドラフトではタイガースがほんと〜に久しぶりにその年の目玉選手をクジで引き当てたわけですが、やっぱりそういうことがあると期待が高まります…