いろいろまとめて

予想していた以上に、娯楽映画のフォーマットにしっかり落とし込まれていた。考えてみれば「虐げられていた者の蜂起」とか主人公たちのジレンマなど、高い一般性をもつうえに映画映えするモチーフが含まれているし、ポスト・コロニアル的な文脈でこういうモチーフがとりあげられるのも『ソルジャー・ブルー』などから勘定して40年以上の蓄積があるわけか……。しかしこれだけ娯楽性の高い脚本でも、日本ではつくれないんだろうな。
娯楽映画としての唯一の問題は尺の長さ。第一部はがんがんテンションが上がっていって最後は余韻を感じさせる終わり方なので、(観客が事件の結末をおおむね知っていることを前提に)第一部だけで完結、でもよかったんじゃないかと思ったり。第二部は鎮圧部隊の部隊長が肝心なところで台詞をとちったり、ちょっとあざといと思わされるところがあったり。

いずれもデジタル・リマスターとのこと。『エイリアン2』は劇場で観るのは初めて。どちらもDVDで何度も観た映画だが、特に『エイリアン2』は自宅にある完全版のDVDと比べて画質が著しくよかった。BDは未見なのでどれくらい差があるのかはわからないが。また、このタイプの映画はやはり劇場ならではの音響が重要、ということを再確認。


なにやら意味ありげだが原題(主人公たちのファミリー・ネーム)とは全く関係のない邦題。「庭」は出てくるけど全然「イノセント」じゃないし。宣伝では、俳優のウェントワース・ミラーが当初匿名で書いた脚本をウリにしているようだが、私はそれほどピンとこなかった。無駄に長くないのはよかったけど。一番の見せ場はやっぱり鉛筆削りのシーンかな。