集中連載「ウナギが食べられなくなる日」
共同通信の編集委員で、岩波新書『ウナギ 地球環境を語る魚』の著者、井田徹治さんが『NATIONAL GEOGRAPHIC 日本版」のウェブマガジン、『Webナショジオ』で「ウナギが食べられなくなる日」を連載されています。
- 第1回 乱獲で資源は危機的に、生息地破壊も一因
- 第2回 背景に日本の消費爆発、定着した薄利多売のビジネスモデル
- 第3回 外来種輸入には多くの問題、資源管理に漁獲規制が急務
- 第4回 さらに深まるウナギの危機 歯止めかからぬ資源減少
個人的に特に興味を持って読んだのは第3回です。全体として批判的な視点が欠如しているマスコミの「ウナギ」報道ですが、なかでも「救世主ウナギ」の扱い方はひどすぎるとしか言いようがありません。
資源レベルの評価も持続可能な採取レベルも何も分かっていないうちに、これらの資源が日本のウナギの大量消費に巻き込まれれば、持続的ではない採取によって「ある資源がだめになったら別の場所で代替品を、それもだめになったらまた別の種を」という「乱獲のヒット・エンド・ラン」に陥るだろう。
このような視点がメインストリームのメディアで当たり前のものとならない限り、「乱獲のヒット・エンド・ラン」を止めることはできないでしょう。批判精神の欠如した「救世主ウナギ」報道によって「なんだ、まだまだウナギを食べてもいいんだ」という安易な認識が醸成されないようにしたいものです。