逆転無罪最高裁判決について


(被疑者・被告人の「自白」はないケースですが、供述の信用性が争点になった事件ではあるため「自白の研究」タグを用いています。)
今村核弁護士の著書『冤罪と裁判』をとりあげたエントリでも触れた逆転無罪事件について、次のような報道がありました。

 性暴力被害者支援に取り組む札幌市のNPO法人「ゆいネット北海道」は20日、性犯罪被害に詳しい杉田聡・帯広畜産大教授(哲学)の講演会を札幌市で開いた。杉田教授は、強姦(ごうかん)罪に問われた男性に逆転無罪を言い渡した最高裁判決(11年7月)について「性犯罪の科学的な研究成果を無視した問題の多い判決」と批判した。
(後略)

昨日のエントリでとりあげた『週刊金曜日』936号にもこの裁判に触れた記事があります。「論争」欄の「森美術館問題を考える」に寺西和史判事が寄稿した「日本の裁判にみる性暴力と二重基準」です(63ページ)。そこで記事に登場する杉田聡氏の編著『逃げられない性犯罪被害者 無謀な最高裁判決』(青弓社、2013年2月)が紹介されていましたので、いずれ読んでみたいと思っています。今村弁護士はこの最高裁判決を高く評価していましたので、評価が分かれる理由が気になります。