本日の憤死タイム!


土用の丑の日まで、続けますよ! 今日は関西テレビの「スーパーニュース アンカー」をまな板に載せます。さあ、背開きがいいか? 腹開きがいいか?
メインは高騰したうなぎの代表品に焦点をあてた企画。しかし最初のVTRでは老舗うなぎ店に取材、うなぎを「食べたい」と語る客のコメントを紹介。スタジオではコメンテーターが「丑の日だけでなく食べてます」「ほかを削ってもうなぎを食べます」「中学の10人くらいの同級生と、本町の専門店でうなぎ食うこと決まってるんです」などと、無条件で食欲を肯定する流れ。
次に「うなぎ代用商品」の人気ベスト3の紹介。穴子、さんま、豚バラのかば焼き。しかし穴子も資源状態は決して良好とはいえないですよ。鮮魚売り場を自分の目で見ればわかることですが。スタジオではウツボのかば焼を試食。ウツボの資源状況はよくしらないけど、食物連鎖ハイアラーキーでいえば上位に位置する魚だから、本格的に獲りだしたらあっという間に激減するかも。ちなみに、一度だけ高知料理店で食べたことがあります>ウツボ
試食を終えてコメンテーターが発言。「まあこれだけ高くなったらねぇ、しょうがいないでしょう」。値段のことしか頭にない。「だって日本はね、消費量の7割くらいは海外から輸入してきてるけど、アメリカなんかね、日本人に食わせるな! みたいな動きもしてるでしょ? 先週ありましたよね?」と定番のアメリ陰謀論。世界の消費量の7割を食ってるという自覚はさらさらなし。もう一人は代用品もおいしかったし、高いなら代わりのもんでもええやん、と。まあそうやって割り切るのも一つの手ですが、だったら「伝統的な食文化」がどうたらとか言えなくなることはわかってますよね? とにかく、絶滅のおそれのある魚種を扱っているとは到底思えないノリの軽さが(悪い意味で)印象的。
それから「続いてはなんと、うなぎもどきをつくってしまおうという、新たな試みを取材してきました」というフリ。いや、素人の私でも、レンコンや海苔をつかったうなぎもどき料理、干し椎茸を使ったタウナギもどき料理をつくったことがありますが? 精進料理(普茶料理)って、長い歴史があるんですよ?
で、取材したのがおからを使ったうなぎもどき料理。皮の部分は海藻ペーストで再現しているとのこと。開発の動機がうなぎ価格の高騰ではなく、「うなぎ臭さや小骨が多いので食べにくいという女性や子どものために」というのが意外だったが、よく考えてみれば開発には時間がかかっているはずで、とすれば高騰前から企画していたというのは当然ですわな。
おからが原料のもどき料理を紹介するというのは悪くないのだが、結局のところ「うなぎが高い!」だけが問題意識で、日本社会が一つの、ではなく複数の生物種を食い尽くすかもしれないということへの問題意識は皆無。せいぜい罪一等を減じて、「背開きか、腹開きか」に加えて「蒸すか、蒸さないか」を選ばせてやろう、という程度か。


今日は朝日放送の夕方のニュース番組「キャスト」でもうなぎの話題を取り扱うとのことだったので予約して仕事に出かけたつもりだったのですが、ミスをしたらしく(あるいは、イチローのトレードのせいで放映時間がずれた?)うなぎ特集の前で録画が終わってしまってました。ただ、番組情報によれば「美味評判でブランド化…淀川の天然うなぎ」という内容だったので、見ていない以上判決は下しませんが、まあ推して知るべきかな、と。