ウナギ喰らいつくしプロパガンダ番組

『夏の土用丑の日のうなぎは美味しい』というイメージがあります。しかし、実際、この時期のうなぎは“夏痩せ”しています。江戸時代、『夏、売れずに悩むうなぎ屋』を見かねた平賀源内が、「夏の土用丑の日にうなぎを食べる習慣」を発案したのが、現在、夏にうなぎを食べる習慣の元となったのです。

ですから本当のうなぎの旬は、9月〜11月。実はこの時期がうなぎの一番の食べ時なのです。番組は、芸能界のグルメ王、アンジャッシュ渡部建がうなぎの名店を訪ねたり、梅沢富美男がうなぎ“風”料理に挑戦したり、持ってる芸人、ANZEN漫才のみやぞん、あらぽんが“幻の青うなぎ”を追いかけて岡山で漁をしたりと盛りだくさんの内容です。

うなぎ好きな全国の日本人のために、うなぎ王国静岡にある静岡放送が、全国に『静岡が誇るスゴい“うなぎ”』をPRします!番組を見れば、今、うなぎが食べたくなること、間違いなしです!

関西在住の私はMBSで録画してみました。番組中、「資源量」とか「絶滅危惧」などへの言及は一切なし。番組の最後のメッセージは「どうですか、みなさん。うなぎ、食べたくなりましたか? 秋の土用の丑の日にも、ぜひうなぎを召し上がれ」でしたよ。

せめて“もどき料理”を紹介するときくらい、持続可能性に言及してもよさそうなものですが、信じられないくらい絶滅一直線な内容。制作局の主観としては地元静岡推しのつもりらしいですが、静岡の地場産業を潰すことにしかならないでしょうね。