胸をなで下ろしてる場合じゃない!
- 日本経済新聞(Web版) 2012/10/5 「ウナギ・マグロの取引規制、米が提案見送りへ 」
来年3月にタイで開くワシントン条約締約国会議の議題提案が4日、締め切られた。ウナギを絶滅の恐れがある野生動植物に指定し、国際取引の規制対象にすることを検討していた米国は提案を見送ったもようだ。クロマグロも提案はなく、消費国の日本は胸をなで下ろしている。ただ資源量が減っている状況に変わりはなく、自主的な対応を強める方針だ。
アメリカが提案を見送った経緯はこの記事ではわかりませんが、「胸をなで下ろして」いる場合じゃないです。その前日のニュース。
- 日本経済新聞(Web版) 2012/10/4 「養殖クロマグロ、築地で相場上昇 稚魚の漁が振るわず 」
稚魚の段階で漁獲され養畜されたマグロは産卵せずに喰われていくわけです。食物連鎖の上位に位置する魚種なのにそんな獲り方をしていたら、資源量が先細りになるのは必定というもの。
一方、ウナギに関してはこんな報道が。
- 日本経済新聞(Web版) 2012/9/2 「土用の丑の日、ウナギ高騰でかば焼き支出11%減 」
価格は上がったのに支出は減っているということは、購入する人が大幅に減ったということです。総務省の家計調査では昨年7月には43%の世帯がウナギ蒲焼きを購入したのに対し、今年の7月は30%にとどまったとのこと。ただし、消費者の意識が「高いから買わない」というものであれば流通大手は一層のコストカットを目指し、そのことがやがて世界中のウナギ資源とウナギ関連産業を駄目にしてしまいかねません。「絶滅に瀕しているから買わないのだ」というメッセージを発信することが重要です。