2016-01-01から1年間の記事一覧

「自白」が「具体的で迫真性に富ん」でいるのはあたりまえ

2005年に発生した旧今市市の女児殺害事件に関して昨日下った無期懲役判決について、報道では被告人の捜査段階の自白について「想像に基づくものとしては特異ともいえる内容が含まれている。体験した者でなければ語ることのできない具体的で迫真性に富んだ内…

『サウルの息子』

『サウルの息子』公式サイト すいません、酔いました。カメラワークに特徴があることは聞いていましたが。乗り物酔いはしないのになぜかグラグラ揺れる映像には酔うんですよ。気分が悪くなると目をそらして視野の周辺でぼんやり観たり目を閉じたりで、しかも…

開幕3連戦

1〜3番が(実質)新戦力というオーダーが吉と出るか凶と出るか……というのが気になって、久しぶりに開幕カードの3試合をガッツリ観た(テレビで、だけど)。個人的におおいに期待している横田選手は、左投手との対戦が多かったせいか、払うようなバッティ…

姫路郵便局強盗事件の再審請求で新たな動き

以前に2度ほど言及したことのある事件の再審請求に新たな動きがありました。 http://d.hatena.ne.jp/apesnotmonkeys/20131231/p1 http://d.hatena.ne.jp/apesnotmonkeys/20140403/p1 NHK NEWSweb 3月15日 ナイジェリア国籍男性の再審 神戸地裁で改めて審理へ…

『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』

Mycroft: We don't defeat them. We most certainly lose to them. John: Why? Mycroft: Because they are right. And we are wrong. 『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』 Sherlock: The Abominable Bride (2016年、イギリス) 観たのは先週。正月に…

経団連会長の頭の中

日本経済新聞 2016/3/3 経団連会長「市場動揺、増税延期の理由にならず」 経団連の榊原定征会長は3日の宮崎市での記者会見で、来年4月に予定する消費税率の10%への引き上げについて「社会保障の安定と財政健全化のため絶対に必要だ。予定通り行うべきだ」…

「動機」をめぐる問題

現代ビジネス 2016年02月21日(日) 牧野智和、神戸・連続児童殺傷事件「報道再検証」〜「心の闇」から抜け出すことはできるのか? この記事で言及されている鈴木智之氏の『「心の闇」と動機の語彙』(青弓社、2013)はこのブログでもとりあげたいと思って読…

ハートネットTV「待ちわびて―袴田巌死刑囚 姉と生きる今―」

NHK Eテレ 「ハートネットTV」 2016年2月9日 「待ちわびて―袴田巌死刑囚 姉と生きる今―」 刑事裁判が人間の行うことである以上、冤罪を100%防ぐことはできないだろう。しかし死刑を廃止することは人間にも可能である。というよりすでに世界では死刑廃止が大…

石原慎太郎が“ロッキード陰謀論”を唱えていたとのこと

田中良紹、「石原慎太郎著『天才』に書かれたロッキード事件の大ウソ」 「独自の資源外交」がアメリカの怒りを買って……というド定番のあれです。この手の陰謀説の非合理性は上の記事で的確に指摘されているのでここで繰り返すまでもないでしょう。そういえば…

「ハートネットTV」で冤罪問題

NHK Eテレの番組「ハートネットTV」で、今週と来週冤罪問題がとりあげられます。 2月4日(木) 午後8時〜「最新DNA型鑑定 防げなかった冤(えん)罪」 昨年末にとりあげた事件についてのものです。タイトルは「最新DNA型鑑定……」ってなってますけど、どう考…

「無知の暴露」としてのガメの嘘

「無知の暴露」とは浜田寿美男氏の供述分析において冤罪の兆候とされるものです。つい最近再審開始の決定が下った東住吉事件の場合、元受刑者の1人は7リットル強(一升瓶にして4本分!)のガソリンを撒いてライターで火をつけたと「自白」していましたが、…

日本版イノセンス・プロジェクト準備室主催のシンポジウム

立命館大学の法心理・司法臨床センターが準備中の「日本版イノセンス・プロジェクト」。その準備室が3月に東京と大阪でシンポジウムを開催するとのことです。 2016年3月18日 「死刑えん罪とDNA鑑定」 2016年3月20日 「えん罪救済の新たな幕開け」

『恵庭OL殺人事件』

(自白のない事件ですが、便宜上「自白の研究」タグを用いています) 伊東秀子ほか、『恵庭OL殺人事件 こうして「犯人」は作られた』、日本評論社、2012年 2000年5月に北海道で発生したいわゆる恵庭OL殺人事件の冤罪疑惑については、不勉強であったため、一…

『虚偽自白はこうしてつくられる』

浜田寿美男、『虚偽自白はこうしてつくられる 狭山事件・取調べ録音テープの心理学的分析』、現代人文社、2014年 一昨年の12月に刊行されていたのだがうっかり一年間も気づかずにいて、昨年末から読み始めた。 著者はすでに狭山事件での弁護側鑑定書をベース…