石原慎太郎が“ロッキード陰謀論”を唱えていたとのこと

「独自の資源外交」がアメリカの怒りを買って……というド定番のあれです。この手の陰謀説の非合理性は上の記事で的確に指摘されているのでここで繰り返すまでもないでしょう。そういえば今年はロッキード事件発覚から40年になるんですね。これくらい前の事になると人々の記憶も曖昧になるもので、田中が首相を退陣したのはロッキード事件のせいだと勘違いしているひともちょくちょく見かけます。実際には田中が辞職したのはロッキード事件とは無関係の、『文藝春秋』に掲載された2本のルポがきっかけでした。せいぜいのところ、ロッキード事件は田中の首相返り咲きを阻んだにすぎません。しかも当時の情勢として“ロッキード事件さえなければ返り咲きは確実”というわけでもありませんでした。
長い間ロッキード陰謀論は対米追随を「しかたない」と合理化する機能を果たしてきたわけで、その罪は重いと言わざるを得ません。