もはや本丸は9条ではない?


産経新聞とFNNの合同世論調査の結果を産経新聞が報じています。
http://www.sankei.com/politics/news/150427/plt1504270035-n1.html
改憲に賛成が40.8%、反対が47.8%と産経的には不本意な結果が出ています。「どの条項の改憲に賛成/反対か」の内訳については賛成者しか報じないというのがいかにも産経らしいですが、「賛成者のうち9条改正に60・3%、緊急事態条項の新設に88・2%、環境権の新設に82・8%、財政規律条項の新設に72・3%がそれぞれ賛意を示した」とされています。9条改正改悪への支持が低いのは「現状で集団的自衛権容認を含めなんでもできそうだからわざわざ高いハードル越えなくてもよくない?」という意見がけっこう多いせいかもしれませんのであまり油断はできません。それより「緊急事態条項の新設」への支持が高いこと、右派のなかでもこの条項を重視する動きがあることを考えると、いま一番危険なのはこれでしょう。
なお、「財政規律条項の新設」が9条を上回る72.3%の支持を得ているのも注目されます。回答者全体の3割ほどが支持している計算になること、左派のなかには改憲そのものに反対する層がかなりあるだろうことを考えると、保守・右派からもそれなりの支持を得なければこの数字は出てこないでしょう。先日も指摘したことですが、「緊縮」は左右に関わりなく道徳感情に訴える力をもつことが裏づけられたと言ってよいのではないでしょうか。