案の定、骨抜きにされた取り調べの可視化

「可視化義務付け」と言っても、対象となる事件はごく限られています。

 改正案によると、裁判員裁判対象事件などで身柄を拘束されている容疑者の取り調べは原則として全過程可視化する。ただし▽容疑者が拒否して十分な供述を得られない▽容疑者らに危害が及ぶ恐れがある▽指定暴力団構成員が関わっている−−ような場合は例外とする。また、施行3年経過後に対象事件の範囲も含めて可視化の在り方を検討する規定も盛り込まれた。

つまり、3年後の見直しで対象が大きく拡大されない限り、こちらの記事で紹介したような自白の強要は看過され続けるわけです。これほどちっぽけな譲歩で司法取引の導入と通信傍受の拡大を達成したのですから、司法当局にすれば笑いが止まらないのではないでしょうか。司法取引については「取引には弁護人の同意が必要」とされてますが、絶対に取り調べへの弁護人の立ち会いが必要です。