気分はほとんど大戦末期

希望的観測を交えずに記事を読めば、目標が達成できたとしても商業的な需要を満たすにはほど遠いのに加えて、「5年後に確立」できる保証なんてない、ということに気づかざるをえないでしょう。高田純・札幌医科大学教授やサー・中松だけでなく西尾幹二も「昭和天皇が日本の核兵器開発を止めた!」説に飛びついているのを今日発見したのですが、陸海軍に協力していた科学者たちは「とうてい今度の戦争には間に合わない」と思っていたわけです。少年雑誌などでは秘密兵器で一発逆転、の夢が語られていましたが。
従来うなぎの完全養殖ではエサにアブラツノザメの卵が用いられていたものの、このアブラツノザメの方も絶滅が危惧される魚種である……ということはご存知の方もおられると思います。この問題がクリアーできたとしても、うなぎを育てるにはエサが必要になることには違いないわけです。おからや米ぬかでも食ってうなぎが太ってくれるのであればたいへん結構なはなしですが、実際にうなぎの養殖で用いられているエサは魚粉が中心です。多くの場合養殖というのは市場価値の低い魚を市場価値の高い魚に化けさせているだけのことで、環境への負荷はエサにしている魚を人間が食べる方がずっと低くなります。遠い将来はともかくとして、当面は「安いうなぎをたくさん食べる」ことを目標にすること自体を断念すべきです。


日テレの夕方の番組「news every.」、見逃したのですが今日は「マル秘ウナギで年商5億円 28才若手社長の挑戦」などという特集をやっていたようです。まだ若いのに、うなぎなんかに将来をかけていいんですかね。関西ではその後に放送されている「かんさい情報ネット ten!」にもうなぎ特集が。メインは例の淀川うなぎでしたが、某スーパーではアナゴの蒲焼きが前年比300%増の売り上げ、という情報も。しかしアナゴもまた生態に不明なところが多い魚で、そうそう安心して食える魚でもなさそうです。日本有数のアナゴ漁場がある瀬戸内海に近い私の居住地でも、スーパーで目立つのは国産より韓国産のアナゴだったりします。