「ウナギを我々日本人が守るのは義務」


コメント欄にてすでに Teru さんが感想を書いておられる、8月19日放送の「サイエンスZERO」(NHK Eテレ)。サブタイは「ウナギはどこへ行った?」 冒頭、ノリがかなり軽いのでビクビクしながら見たのだが、結果的にはさすがに科学番組、真っ当な内容でした。エントリタイトルは、ゲストの塚本勝巳・東大大気海洋研究所教授が番組の締めくくりに述べたコメント。また、「我々の手で地球上から消してしまうのはものすごい罪」とも。
ウナギ減少の原因としてよく指摘される3つのうち、「海水温の変化による産卵域のずれによる死滅回遊」「河川環境の悪化」を扱っていて漁業の影響には触れていませんでしたが、人間の責任については(日本のとりくみが遅れていることとともに)きちんと指摘していたので、むしろ「じゃあしばらく獲らなきゃいいんじゃない?」という短絡を防ぐ効果を持ち得たかも知れません。シラスウナギの漁獲量についても1960年代のデータからフリップで呈示して、激減ぶりがよくわかるようになっていました。
完全養殖については、レプトセファルスが自然界で何を食べているかが明らかになって来た、という朗報が。アブラツノザメの卵に依存せずにすむならば、少しは期待するに足るとりくみと評価できるようになります。
細かいことを言えば問題もあって、例えばワシントン条約による規制の可能性について、どの附属書にリストされるかによって扱いが異なる点を無視して「そうなると食べられなくなっちゃう」という、必ずしも正確ではないコメントがなされていました。そもそもこのコメントをした「ナビゲーター」の竹内薫って、インテリジェント・デザイン説について妙なことを書いていて、人選に疑問が残りますね。
Cf., http://transact.seesaa.net/article/154554325.html, http://transact.seesaa.net/article/154645972.html, http://transact.seesaa.net/article/154645972.html
なお、8月25日に再放送されます。
http://goo.gl/vYl68