「お前ら○○人に貸す部屋はない」と言われずにすむというだけのことが「優遇」だ、ってなにそれ?


kazu111 法律で優遇するとさらなる排斥をまねきかねんからなぁ。人権擁護法案は無理でしょ 2009/01/21
(http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/apesnotmonkeys/20090121/p2)

昨日のエントリで引用した記事の、引用しなかった部分を読めば分かることなんだけど、県営住宅への入居が非常に競争率が高くて、応募が殺到している中で(例えば人口比を根拠に)外国人枠を決めてる、ってはなしじゃないんですな。記事によれば1,350戸のうち約380戸が空いてるそうです。日本人の応募者を差し置いて外国人を入居させよ、なんて要求ではまったくないわけです。
で、id:kazu111氏とかそのブコメにスターつけたid:slpolient*1はどうやら人権擁護法が成立するとある種のカテゴリーに属する人々が「優遇」されることになる、とお考えらしい。「お前ら○○人に貸す部屋はない」と言われずにすむという、ただそれだけのことが「優遇」なんだそうである。部落名鑑を販売させないことが「優遇」なんだそうである。生活保護を申請にいったら「あんた共産党員でしょ? アカの為に税金使えないよ」などと言われないですむことが「優遇」なんだそうである。セクハラされないとか、同性愛者であるという理由で解雇されないとか、「お前、やっぱり○○人だから(△△信者だから)使えねーな」などと上司から言われたりしないですむという、ただそれだけのことが「優遇」なんだそうだ。(民族的)日本人は日本国内で住宅を探す限り「日本人に貸す部屋はない」と言われることを想定する必要がない*2異性愛者はふつう自分が異性愛者であるという理由で解雇される(採用を拒否される)なんてことを想定して生きる必要が(実質的には)ない。これは本来「優遇」ではなくて当たり前のことだけれど、その「当たり前」を他のカテゴリーの人々にも広げようとすると「優遇」だと言われちゃうってことは、実は「日本人に貸す部屋はない」と言われずにすむという、ただそれだけのことが「優遇」だってことですよ。いやはや……。


察するところ、お二人は非常に深刻な人権侵害を恒常的に受けているという、きわめて悲惨な境遇におられるのだと思います。なにしろ「お前ら○○人に貸す部屋はない」と言われずにすむといった、ただそれだけのことが「優遇」に思えるそうですから。それほどまでに深刻な人権侵害なら、現在の法制度の枠組みでもたいてい対処できるはずです。私はその筋の専門家ではありませんが、それほどまでにひどい人権侵害であるなら素人にも「どこに相談したらいいか」といった程度のアドバイスはできるんじゃないかと思います。さあ、勇気をもってここでカムアウトして下さい。

*1:コメント欄をご参照下さい。

*2:まあもちろん、外国人の家主が日本人お断りと張り紙する可能性はゼロではないけど、もしそういう事態が起きればそれも人権擁護法でカヴァーされる。