鹿児島地検検事正が妄言
-NHK NEWS WEB 2020年9月16日 「新検事正が大崎事件に異例の言及」(アーカイブ)
鹿児島地検に着任した検事正が記者会見で大崎事件をめぐる報道に言及した、というニュースです。
内藤検事正は「第3次請求についてはよく知っており、請求を棄却した最高裁の決定は非常に重く受け止めている」と述べました。
そのうえで「第4次請求では報道側の原口さんへの寄り添いが顕著になっているが、万が一、原口さんが犯人ではないということを証明するあまりに、具体的にこの人が犯人だといった報道をされると大変な人権侵害になる」などと述べました。
もちろんマスメディアが勝手に“真犯人”探しなど始めれば、人権侵害になる恐れはあります。しかし個別の刑事事件について報道機関が調査報道をするのは市民の「知る権利」にも資することであり、人権侵害が生じる具体的な恐れもないのに検察関係者がこのような発言を行うことは、逆にメディアの「言論の自由」への侵害になりかねません。なにより、私が承知している限り、大崎事件再審請求についての踏み込んだ報道は「事件ではなく事故だったのではないか」という視点からなされており、この発言は言いがかりといってよいのではないでしょうか。
当然ながら、大崎事件の弁護団はこの発言を批判しています。
-NHK NEWS WEB 2020年9月17日 「検事正発言 大崎事件弁護団批判」(アーカイブ)
記事の結びは次のようになっています。
大崎事件をめぐっては、弁護団が死亡原因は自転車の事故だったと結論づける新証拠を提出していて、裁判所などが弁護団の主張を確かめるため、現場を訪れる考えを明らかにしています。
弁護団事務局長の鴨志田裕美弁護士は次のようにツイートしています。
鹿児島地検に着任した新検事正が大崎事件の報道に言及した。
— かもん弓(鴨志田 祐美) (@kamo629782) 2020年9月16日
3度も再審開始決定が出ている事件に抗告を繰り返し,真犯人を特定しなければ再審を認めないかのような態度を取ってきたのは検察庁ではないか。
マスコミは圧力に屈せず,ジャーナリズムの矜持を示してほしい。https://t.co/1eHaELNh7d