袴田事件、DNA抽出実験に成功

 1966年に旧清水市で一家4人が殺害された事件で死刑が確定し、静岡地裁の再審決定で釈放された袴田巌さん(81)の弁護団が今秋、地裁で採用されたDNA型鑑定を再現する実験を行った結果、7年半前にみそに漬けられた布の血痕からDNAを抽出できていたことがわかった。

 弁護団が28日、取材に明らかにした。弁護団は「みそなどで汚れた試料からも、血液のDNAを抽出できることがはっきりした」と主張している。
(後略)

記事の見出しに関連するのは上記の部分ですが、この記事では後半で次のような指摘がなされています。

 約5年間に及んだ静岡地裁の審理では、「犯行時の着衣」とされたシャツの血痕を最新技術でDNA型鑑定するよう弁護団が求めたのに対し、検察側は「血痕は古く、みそに漬かっていて、汗や唾液(だえき)など血液以外の成分で汚染されている」として鑑定の実施そのものに反対していた。
(略)
 高裁の審理では、検察側の求めで別の学者が本田教授の方法を検証することになり、約1年半かけて検証報告書を提出した。だが、今秋に行われた鑑定人尋問で、この学者が高裁の嘱託通りの鑑定をせず、本田教授とは違う方法や器具を用いて実験していたことが明らかになった

強調は引用者。いったいなんのための1年半だったのやら。
東京高裁は今年度中、すなわち3月までに判断を示す方針と報じられていますが、静岡地裁が再審開始の決定を下してから、まもなく4年になります。