飯塚事件も再審請求却下


(自白のない事件ですが、便宜上「自白の研究」タグを用います)
すでに皆さんご存知の通り、北陵クリニック筋弛緩剤事件に続いて飯塚事件も再審請求が却下されました。

 死刑執行後に再審開始決定されれば初めてとなるため判断が注目されたが認められず、弁護側は即時抗告する方針。福岡地裁は、当時の警察庁科学警察研究所の鑑定結果について「ただちに有罪認定の根拠とすることはできない」と精度の限界も指摘した。しかし「鑑定結果を除いた状況事実を総合した場合であっても、合理的な疑いを超えた高度の立証がなされている」と結論づけた。
(http://mainichi.jp/select/news/20140331k0000e040174000c.html)

DNA鑑定に関心が集まるのを避けたいというか、DNA鑑定についての疑惑を梃子に再審を求める途を封じたいという意志を感じる……のは穿ち過ぎでしょうか。
個人的には、この事件については袴田事件狭山事件について抱いているような、「明らかに冤罪」という感覚を持ち得ていません。しかしいわゆる“科学的捜査”の信頼性に関わる問題をはらんでいることは間違いないわけで、その点での疑念が晴らされないまま刑を執行してしまったのは大きな誤りです。