福井・中学生殺害事件、再審取り消し
- 毎日新聞 2014年12月12日 「福井・中学生殺害:関係者供述、評価割れる…再審取り消し」
最高裁が再審請求の特別抗告を棄却した福井女子中学生殺害事件では、関係者の供述の評価が揺れ動いた。再審請求審では、名古屋高裁金沢支部がもとの裁判で検察側が開示しなかった証拠の開示を勧告。捜査段階の関係者の供述調書や遺体の解剖写真など計88点が新たに開示され、金沢支部はこれらを検討して再審開始を決定した。しかし、名古屋高裁が判断を覆し、最高裁も維持。再審の道は閉ざされた。
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「自白の研究」タグを用いていますがこの事件では被疑者・被告人の自白はなく、争点となったのは目撃者の証言の変遷です。おそらく弁護団は再度再審請求を行うものとみられますが、マスメディアも以下のような事情について真相を追求してもらいたいものです。
この事件では金沢支部の再審開始決定前になって、毎日新聞の取材で関係者の供述の信頼性に次々疑問が浮上。有力な目撃情報をもたらした知人は「事件の夜は前川さんに会っていない」と確定判決の内容を覆した。
また、前川さんと現場へ行ったことを認めるよう県警から迫られた後輩男性は否定すると、前川さんの事件への関与を最初に証言した知り合いの暴力団組員(当時)に取調室で引き合わされ「警察に協力せえ」と恫愒(どうかつ)されたと証言している。