「高いから食べない」から「持続可能でないから食べない」へ


今日は帰宅途中で通った梅田のデパ地下街も、地元の鮮魚売り場もうなぎの在庫を売りつくそうとする呼び声がまあすごかったですね。阿鼻叫喚の域。絶滅が危惧される魚をそうまでして売ろうとするこの社会のあり方は、やはり深刻な反省に値するんではないでしょうか。
ともあれ、いま必要なのは「高かったから、売れなかったんだ」というメッセージを関連業界に送らないことです。いやまあ、「高かったから、売れなかった」というのは一面の真理ではあり、関連業界がそう考えることを阻止することはできないでしょうが、それだけではなく「持続可能じゃない商品だから買わないのだ」と考える消費者の存在を可視化する必要があります。別にうなぎ弁当を売るコンビニの前でピケをはるとか、イェルサレムの神殿を訪れたイエスよろしくスーパーのうなぎ売り場で商品陳列棚をひっくり返したりするとか、そんなハードルの高いことをしなくてもいいのです(かくいう私だってしてないし)。ネットでもいいしプライベートな人間関係の中でもいいですが、「持続可能でないものは買わない」というメッセージを無理のない範囲で広めてゆくことが、なにがしかの効果を発揮することだってありえないことではありません。なにしろ、小売業界は消費者の動向には敏感なのですから。大津市の中学生自殺事件に関して、加害者についてのガセ情報を拡散し無関係の人に非難が殺到するような事態を引き起こす力がネットにはあるんでしょう? その力を、うなぎの保護のためにも使いましょうよ!


さて、本日のテレビのうなぎ報道から。昨日も言及した読売テレビの「関西情報ネット ten!」はうなぎの完全養殖を特集していましたが、商業化までのハードルの高さにも言及していましたし、コメンテーターの一人、お笑いタレントの千原せいじ氏が「もともと考えたら、うなぎってごちそうやったやんか。それがさ、いまみたいにばんばんコンビニとかでも買える……食い過ぎやねんて! ちょっと考えて食っていこう」と、土用の丑の日当日に実に真っ当なコメントを。なんだ、いまの大量消費を疑問視する出演者さえいれば、ちゃんと言えるんじゃないか! これまでの「いいから鰻を安く食わせろ」キャンペーンはなんだったんだ!