「風物詩記事」で消費される水産資源

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金曜日

-日本経済新聞 2020年11月12日 「北海道・鵡川シシャモの漁獲9割減、98年以降で最低に

スーパー等で「シシャモ」として売られているものの大半は実は「カペリン(カラフトシシャモ)」という別の魚種であり、この記事で言うところのシシャモはもともと日常的に食する機会の多い魚ではありません。しかし不漁の原因が記事にあるように「平年より海水温が高かったことなど」なのだとすると、今後もこうした不漁が続く可能性は高いわけです。

ところがたった数週間前にはこんな記事が配信されていました。

-読売新聞 2020年10月22日 「銀色に輝くシシャモ、北海道で「すだれ干し」ピーク

記事を読めば分かる通り、いわゆる季節ネタとして惰性で書かれただけの記事で、この時点ですでにわかっていたはずの歴史的な不漁にはまったく触れられていません。政府や企業が「SDGs」を看板に掲げてはいても、結局こういう日常的な記事に「持続可能性」への無関心が露呈している……ということではないでしょうか。