所在不明高齢者、その後
以前に「仮に所在不明者が100人くらいだったとして」という前提でエントリを書いたわけだが、その後調査が進むうちに大阪市だけで120歳以上の所在不明者が5125人いる、てな事態になっている。しかしこれは単に「本籍地」が大阪市内にあるというだけで住民登録はなく、「市によると年金支給や人口統計などには直接、影響しない」というはなしなので、前回のエントリの主旨をむしろ裏付ける情報といえるだろう。なにしろ最高齢は152歳とのことだから、本来なら出されるはずの死亡届が出されなかったのはまず間違いなく半世紀以上も前のこと。記事にも大阪市側のコメントとして「空襲など戦中・戦後の混乱で死亡届が出されなかった人もいるとみられる」とあるように、「近年になって家族関係が稀薄になった」とかいったマス・メディアお気に入りのストーリーを裏付けるものではないだろう。
それより、大阪だけで、しかも120歳以上に限定しても5千人以上が実体のない戸籍に記載されていた……というのは要するに「本籍」「戸籍」なんてものが必要ないってことを改めて示している、ということだ。