趙誠峰弁護士インタビュー

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水曜日

自分自身も冤罪被害者である弁護士を主人公にしたドラマシリーズ『プルーブン・イノセント 冤罪弁護士』のキャンペーン記事で、趙誠峰弁護士がインタビューを受けていました。

-THE RIVER 2019年10月31日 「冤罪はなぜ起こる、弁護士に訊いた無実の闘い ─ 法廷ドラマ「プルーブン・イノセント 冤罪弁護士」特集」

内容は基本通り、「有罪という予断」「調書裁判」「検察による証拠の独占」「不十分な可視化」などに触れたもの。

気になったのは、この記事でも「冤罪か否かが問われるケースとして話題に挙がりやすいのが痴漢事件だろう」として「痴漢冤罪」がモデルとして提示されている点だ。

もちろん「話題に挙がりやすい」ということ自体は、よくも悪くも事実であろう。また後述するような理由で、虚偽自白を伴う冤罪が「痴漢」という犯罪類型において生じていることもたしかだろう。しかし被疑者・被告人の権利という視点からではなく犠牲者非難的な動機で「冤罪」が取り沙汰されるのが「痴漢」でもある。読者の理解を促すために「痴漢冤罪」が繰り返し用いられるという状況は好ましくないのではないだろうか。趙弁護士の最近の受任事件に芸能人を被告人とする強制性交等罪事件があるので、なおさらだ。

この記事を読んでブログで取り上げることを考えている間に、次のようなツイートが目に入った。

 司法関係者がこのように「痴漢」を些末な事件と考えていることが、「痴漢冤罪」を生む大きな要因になっているのではないだろうか。軽い事件だと考えるからこそ地道な捜査の代わりに「さっさと自白とって終わらそう」という意識になりやすく、また「素直に認めれば不起訴になるから」といった“利益誘導”も起こりやすくなる。もしこの推測が正しいなら、「痴漢は重大な犯罪だ」という意識を司法関係者がもつようになることが、冤罪防止の観点からも求められる、ということになるだろう。