袴田さん釈放から1年


昨年の今日、静岡地裁袴田事件の再審開始の決定を下し、同時に袴田さんの釈放を命じました。各社で特集記事が掲載されています。
朝日新聞
(上)始まらぬ再審 あと何年
(中)獄中48年、取り戻す日々
・(下)「冤罪なくす」弁護士へ

毎日新聞
49年目の壁:袴田事件釈放1年/上 立場は「死刑囚」のまま 選挙権なく投票できず
49年目の壁:袴田事件釈放1年/中 証拠物次々、募る不信感 刑事の罵声生々しく 新提出の48時間分録音テープ

静岡新聞
<正義はどこに>再審の壁(上) 検察上訴、長引く請求審
<正義はどこに>再審の壁(中) 「白鳥決定」揺らぐ理念
<正義はどこに>再審の壁(下) 法制改革へ海外の視点

特に静岡新聞の特集は、検察側の不服申し立てにより再審開始が先延ばしになっている現状に論点を絞って現制度の問題点を明らかにしています。
先日美濃加茂市長に対して無罪判決が下った事件で検察が控訴した際にも、検察の上訴権は制限されてしかるべきだという議論がありました。再審開始は直ちに「無罪」を意味するわけではなく再審の過程で改めて有罪・無罪が争われるだけですから、再審開始の決定に対して検察が不服を申し立てることのできる現制度はおかしい、という主張は極めて説得的でしょう。