『哭声/コクソン』ほか

  • 『ファイ 悪魔に育てられた少年』 화이:괴물을 삼킨 아이 (監督:チャン・ジュナン、出演:キム・ユンソク、ヨ・ジングほか、2013年、韓国)

キム・ユンソクつながりで、iTune Store でレンタルが安かったので。子どもが特殊工作員としての、あるいは犯罪者としてのスキルを叩き込まれて……みたいな筋書きの映画はちょくちょくあるけど、これは「父親と称するのが5人」というのが新味。ただ、その設定が活かしきれてるかというとやや疑問。とはいえ、観ていて特に不満のない出来。

日本公開前に劇場で何度か予告編を見たことがあって、そのときは「ダニエル・クレイグ、仕事選べよw」としか思ってなかったのだが、Hulu で配信していたので暇つぶしにと観てみたら、けっこう面白かった。とはいってもタダで(月額なんぼ)で観ての感想ですんで、あしからず。
なお、タイトルでは「エイリアン」となってるけど、『エイリアン』よりは『プレデター』シリーズに近い感じ。

これはもちろん劇場で。「すっきり」とか「なるほど」という心理状態でエンドクレジットを迎えたいひとには向かない映画かも。まず、「怖い、怖い」と評判の割に前半ではコメディー的な演出が目立つ。主演のカク・トウォンは『弁護人』で悪逆非道な公安警察官を演ってるのを観たばかりなので、本作でのヘタレ警官役が一層際立つ。話が進むにつれてホラー・スリラーのさまざまなサブジャンルの要素をいろいろぶち込んでくるので、どういう心構えで観ればいいのか戸惑わざるを得なくなる。結末も「なんだったんだ、一体?」というものに……。だけど「脚本がダメ」とか「演出が下手」というのではもちろんなくて、そうなるように仕組まれてる。宙ぶらりんな気分にされるのが嫌いじゃないひとには大変おすすめです。