『弁護人』

軍事政権時代の韓国における人権侵害事件を題材とした映画の場合、その軍事政権を支えた国の一つである日本の有権者としては、単純に娯楽として享受するのは難しいところがある。ということは踏まえたうえで、本作はいわゆる法廷ドラマのオーソドックスな展開を見せるウェルメイドな映画だった。韓国で興行的にも成功した2013年の映画が、いまごろ、しかもさして大きくない上映規模でしか観ることができないというのは、純エンタメ的な観点から言っても損失ではないだろうか。