未見映画をまとめて
明日(3日)が休みということで、劇場公開時に観そびれていた映画や最初からレンタルDVDですます予定だったものを先週借りて来てぼちぼちと観る。
- 『ワルキューレ』 Valkyrie (監督:ブライアン・シンガー、出演:トム・クルーズ、ビル・ナイほか、2008年、アメリカ)
- 『イングロリアス・バスターズ』 Inglourious Basterds (監督:クエンティン・タランティーノ、出演:ブラッド・ピット、メラニー・ロラン、クリストフ・ヴァルツほか、2009年、アメリカ)
『ワルキューレ』は有名な史実をベースとしているから“観客は結末を知っている”というハンデをしょってつくられているわけだが、それを割り引いたとしてもなんというか淡白な描写で、映画としての面白さでは同じくヒトラー暗殺計画をネタにしていながら史実という縛りのない『イングロリアス……』には及ばない。『キル・ビル』シリーズや『デス・プルーフ』は私にはかなり退屈だったのだが、こちらは2時間半という長さを全然意識せずに観終わった。独立した二つの計画が交差するというのは目新しいアイデアではないが、両者が相互に障害になるというサスペンスは盛り込まれていない*1。このあたり、「ヒトラーはもちろん殺すし、ヒトラーが死ぬのかどうかで映画を盛り上げるつもりはない」という意思を感じた。
C・ヴァルツ演じる「ユダヤ・ハンター」ランダ大佐は最初に予告編を観たときにはティム・ロスかと思った。タランティーノ映画だからという先入観もあるだろうけど、似てると思ったのは私だけかな?
- 『第9地区』 District 9 (監督:ニール・ブロンカンプ、出演:シャルト・コプリーほか、2009年、アメリカ・ニュージーランド・カナダ・南アフリカ)
これは評判通りに面白かった。劇場で観なかったのは大失敗。もちろん誰もがアパルトヘイトを想起するし日本の観客には日本の入管を想起してもらいたいものだが、そうした側面を抜きにしても十分面白い(RPGをパワード・スーツでつかむシーンとか、よかったなぁ)からこそ、大詰めでの主人公の変心*2に説得力がある。
原題は「コウモリ」の意とのこと。主演がソン・ガンホという時点でオーソドックスなヴァンパイアものでないことは知れる(笑) エンドロールを観るとゾラの『テレーズ・ラカン』にインスパイアされたと出ていて、なるほどと納得。