「安倍のイメージ」だけの問題じゃないよね

まあこの記事を書いた方は問題点をわかっておられるようですが。私はインフレターゲット政策それ自体については否定的な見解をもってませんけど、自分自身が責任を持ってコミットしているわけでもない分野の事柄について、例えば歴史修正主義を「箸の上げ下げ」の問題だと言い放つような人間の言うことをことさら支持して応援する気もないですからね。
池田信夫のデタラメを広くデタラメと認知させる」という課題なら共有できそうなのに、池田信夫のもう一つのデタラメについては積極的に支持していたりするわけですから。ちなみに『Voice』の10月号には池田信夫と上念司&倉山満(対談)が肩を並べて登場しています。話題は? もちろん「慰安婦」問題否認論ですよ。
経済学を学んだことのない者にもインフレターゲット政策の意味を理解させることに比べれば、首謀者が陸軍大佐、管理責任を問われたのが陸軍少将……という事件を「わずか5人の女性を末端の下士官慰安所に入れたというケチな強姦事件」と言いいくるめることのインチキさを理解してもらう方がはるかに簡単だと思うんですけど、我々は後者の問題でさんざん苦労しているという状況でしてね。
インフレターゲット政策がなかなか理解されないというので陰謀論発動していた人もいましたけど、財務省の主張がもつ道徳的な訴求力を過小評価してるんじゃないでしょうか? この点については以前に少し書きましたけど。
http://d.hatena.ne.jp/apesnotmonkeys/20111129/p1