かんさい熱視線「誤認逮捕〜続出の背景に何が〜」


9月19日に放送されたNHKの「かんさい熱視線」の「誤認逮捕」回を見た(正確には再放送を見たのだが)。

事件とは無関係の人を誤って逮捕する“誤認逮捕”が大阪府警で相次いでいる。窃盗や痴漢など、この1年で9件。取材を進めると、一つの証拠や証言、更には防犯カメラの映像などを「過信」するあまり、十分な裏付け捜査をしないまま逮捕へ至ったケースが繰り返されていたことが分かってきた。再発防止に動き始めた大阪府警の取り組みや防犯カメラ判定の技術開発の現場も取材。“誤認逮捕”続出の背景と、その対策について考える。
(https://pid.nhk.or.jp/pid04/ProgramIntro/Show.do?pkey=206-20140919-21-41620)

上記の番組紹介のような内容だったわけだが、気になったのは紹介された事例のうち、被害者が被疑者を犯人と同定したにもかかわらず誤認逮捕だったケースが2つもあること。「面通し」のプロセスが不適切だった(犯人として再認するようにとの誘導があった)可能性が疑われるわけだが、この点にはまったく踏み込んでいない。日本の警察の面通しの手法が記憶心理学的に見て適切でないことは当ブログでも問題にしてきたが、どうも「近年浮上した問題」に焦点を当てる一方で昔からの問題の方はスルーされてしまった感がある。安易に逮捕して自白をとろうとする「人質司法」もまた誤認逮捕の背景の1つであるはず。