しれっと別件逮捕(さらに追記あり)


アンネの日記』他の切り裂き事件で容疑者が逮捕された、との報道ですが……。

22日には店内で勝手にビラを張っていたことも確認。無断でビラを張るという、書籍購入などの「本来の目的」以外の目的で書店に侵入したとして、3月7日に建造物侵入容疑で男を逮捕した。
(http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140313/crm14031307150001-n1.htm)

どう考えても別件逮捕、微罪逮捕です。社会的な関心が「動機」に向けられるであろう事件だけに、長期間身柄を押さえて捜査当局が描いた筋書きに沿った供述をとるようなことがないか、非常に懸念されます。被疑者の人権という観点からも、そしてこの事件についての理解が歪められはしないか、という観点からも。


追記:朝日の報道によれば「張り紙はアンネやナチスとは無関係の内容」とのことです。
http://www.asahi.com/articles/ASG3F2T9RG3FUTIL002.html
これが本当だとすれば、ただただ勾留期間を稼ぐための別件逮捕であることがよりはっきりするわけですが、例によって新聞報道にこうした問題意識は欠片もありません。「結果的に真犯人だったらそれでいいじゃん」とでも思ってるのでしょうか? しかし一つ一つの事件で「人質司法」にノーと言っていくのでなければ、冤罪を生む構造なんて変えることはできません。


3月22日、さらに追記。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140314/crm14031407500000-n1.htm

 男は被害にあった「ジュンク堂書店」池袋本店内に勝手にビラを張ったとして、建造物侵入容疑で逮捕された。ビラは手書きで、「アシスタントとゴーストライターは違う」などと記され、アンネの日記とは無関係な内容だった。

時節柄断定はできないものの、ふつうに考えれば「アンネの日記=捏造」説が想起されます。張り紙の内容が「アンネの日記とは無関係」とする警察の認識も、それを無批判に垂れ流すマスコミもどうかしてますね。なお、警察の認識が「アンネの日記とは無関係」である以上、「追記」部分での警察批判、マスコミ批判は依然として妥当すると思われますので、訂正はいたしません。