大阪地検検事、捜査報告所改竄

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 地検によると、高宮検事は特捜部から地検堺支部に派遣中の4月、貝塚署が現住建造物等放火容疑などで逮捕、送検した男性を担当。男性が取り調べで「事件時は自宅で寝ていた」とした説明を「うそをついた」と翻したとする経緯を巡査部長が記した報告書について、「公判で余分な争点になる」という理由でこの経緯を削除させたという。
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 男性は昨年12月、貝塚市内の住宅に侵入し、ライターですだれなどに火をつけたとして1月に起訴された。男性は約1年間勾留されていたが、地検は先月26日、男性について「捜査段階で放火を認めたが、補充捜査で物事の説明能力に問題があることがわかった」として異例の公訴取り消しを申し立て、大阪地裁堺支部が公訴棄却を決定した。
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この朝日の報道よりも、次の産経の記事の方が事情がよくわかる。

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 地検によると、捜査報告書は男性の言動を記録するため署側が1月11、12の両日に作成。4月になって高宮検事は、男性が事件当時のアリバイについて「自宅で寝ていた」と発言した−と記された部分を削るよう求め、署側が報告書を作り直した。
 男性はアリバイ発言の直後に「嘘をついた」と撤回し、実際に自宅にいなかったことが判明したためだが、高宮検事は「公判で無用なトラブルや争点を作りたくない」などと署側に削除を指示したという。高宮検事は当時特捜部に所属し、堺支部へ応援に出ていた。
 地検によると、男性は捜査段階で容疑を認めたが、1月の起訴後に起訴内容を否認。地検は「自白の信用性を立証することは困難との結論に達した」として、異例の公訴取り消しをしていた。
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地検の説明を信じるなら「実際に自宅にいなかったこと」は確認されたようなので、直ちに被疑者・被告人を陥れるための改竄とまでは言えないにせよ、「争点」を潰したいなどという理由で捜査報告書を改竄するのは「証拠隠し」にも通じる問題。