(毎日新聞・連載)「女性たちの挑戦:イランからの報告」


先月末から毎日新聞で「女性たちの挑戦:イランからの報告/1〜4」と題する連載が行なわれていた。
http://mainichi.jp/select/news/20130225ddm007030125000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20130226ddm007030151000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20130228ddm007030200000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20130301ddm007030082000c.html
2回シリーズのNHKスペシャル「激動イスラム」、「第1回 アラブの春はどこへ〜エジプト 変質する民主化革命〜」「第2回 イスラムを覚醒せよ〜"瀬戸際の大国"イランの戦略」を録画して見たのだが、まあ NHK らしく抑制は利いていたものの、やはり欧米バイアスはしっかりかかっていたので、自分用のメモもかねてご紹介。
取り上げられている4人はいずれも例外的な成功者であって、それによって直ちにイランにおける女性の人権状況を云々することはできない。それでも「1940年代からイランでは女性に免許が交付され、近年の免許交付数の約30%を占める」「運転する女性の多さは中東屈指」(第3回)とか「国立大学の学生のうち女子が占める割合は60%(12年)、大学院(修士)では51%」(第4回)といった紹介は、欧米のバイアスに影響された日本の報道では、決して当たり前のものとはいえないだろう。特に、こうした事情が「イスラーム革命にもかかわらず」ではなく、「イスラーム革命ゆえに」という側面を強く持つこと―例えば第3回で言及されている「女性運転手による女性専用タクシーの会社」などは、イスラーム革命によって開けたビジネスチャンスだと言うことができる―は無視できない点である。もちろん、イラクイランにおける女性の人権状況についてあら探しをしようと思えばいくらでも指摘することはできるだろうが、日本にしても現憲法下で三権の長になった女性はたったの一人(←コメント欄参照)であることを忘れるわけにはいかないだろう。