青森でイカナゴ禁漁
上記のエントリを書いた後になって、このニュースを知る。
- 毎日jp 2013年02月14日 「イカナゴ:全面禁漁へ 春の味覚、乱獲で激減 陸奥湾6漁協、特定魚では初 /青森」
ピーク時の11,745トンからなんと1トンに漁獲量が減っている、という衝撃のニュースです。1万分の1になって初めて本腰の対策がとられた、ということになります。
イカナゴという魚に馴染みのない方もおられるでしょうが、居住地が私と近い方であればぼちぼちスーパーでイカナゴの釘煮をつくるための醤油やザラメを並べたコーナーが設置されているのを見て、春の訪れを感じておられるかもしれません。とはいえ、40年ほど前に関西に引っ越してきたころはまだ、現在よりも限られた(すなわち、水揚げ地に近い)ところで売られていただけのようです。私の母親も毎年釘煮を炊いていますが、電話で確認してみたところだいたい20年くらい前からだ、と記憶しているそうです。鮮度の落ちやすい小魚なので、輸送技術の進歩によって販路が広がったようです。いまでは近所のどのスーパーでも、2月の終わりあたりから、昼過ぎになると1キロパックが山積みになりますが、それでも特に出始めのころは行列ができ、すぐになくなってしまいます。
となると心配になるのが、乱獲による資源量の減少です。もちろん漁獲だけが資源量を左右する要因ではありませんが、消費者がもっとも簡単に影響力を発揮できるのが漁獲量ですから。釘煮は保存性が高いため常備菜にはうってつけで、私も数キロ炊いていたことがあるのですが、数年前に不漁の年が続いた(09年の香川県での不漁の記事、またこの年は三重県でも記録的な不漁だったようです)のをきっかけに購入量を減らしました*1。マグロやウナギに比べると、条件さえ整えば資源量を回復させやすい魚種だろうとは思うのですが、イカナゴをエサとする魚種の資源量にも与えるだけに、気がかりではあります。3年前、試しに魚醤をつくってみたところ非常に良い出来だったので一昨年、昨年もそれぞれ1キロ分仕込み、今年もやってみようと思っていますが、資源量に関する報道はきちんとフォローしていこうと思っています。