17年勾留の男性、自殺

強盗容疑で逮捕・起訴されながら裁判中に「心神喪失」と診断された男性が16年間もまともな治療を受けずに拘置施設に勾留され続けていたことが昨年報じられたが、その男性が自殺したとのこと。

 死亡した被告は92年10月、千葉県松戸市のガソリンスタンドで店長(当時38)を殺害し、現金約56万円を奪ったとして逮捕された。起訴後、千葉地裁松戸支部で裁判が始まったが、被告は裁判官らとの受け答えもままならず、精神鑑定で「心神喪失」と診断された。同支部は94年12月に公判停止を決定したが、被告は専門の病院で入院治療を受けることなく、拘置施設に留め置かれた。
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 被告の元弁護人は「裁判所や地検は『被告の訴訟能力の回復を待つ』と説明していたが、医療機関への入院など適切な治療を受けさせなかった。自殺という重大な結果を招いた責任は重い」と指摘している。

「被告の訴訟能力の回復を待つ」つもりなのであればなおさら治療が必要なはずで、むしろ死ぬのを待っていたのではないか? と勘ぐりたくもなる。