京都地裁で再び無罪判決


昨年12月に京都府迷惑行為防止条例違反容疑事件で無罪判決が出ましたが、今日は強制わいせつ容疑事件で無罪判決が出ています。興味深いことに、同じ裁判官なんですね。

 阪急京都線の電車内で痴漢をしたとして京都府迷惑行為防止条例違反の罪に問われた、京都市の40代会社員男性の判決が8日、京都地裁であり、渡辺美紀子裁判官は無罪(求刑罰金30万円)を言い渡した。
(http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20141209000012)

 JR山陰線の電車内で女子高生の体を触ったとして、強制わいせつの罪に問われた京都府大山崎町の男性会社員(28)の判決が20日、京都地裁であり、渡辺美紀子裁判官は無罪(求刑懲役3年)を言い渡した。
(http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20150320000067)

12月の判決の事件では被告人は一貫して否認していたとのことですが、今回の判決では虚偽自白があったと認定しています。

 男性は逮捕直後に亀岡署で容疑を否認した後、検察官に容疑を認め、勾留質問で再び容疑を否認していた。渡辺裁判官は男性が「取り調べで『容疑を認めれば帰れる』と言われた」としていることから「虚偽自白の動機として真に迫る」と指摘した。

また起訴に至らず釈放されたため「冤罪」事件とまでは言えませんが、虚偽自白強要疑惑はもう一件浮上しています。

 元副会長によると、大仲さんとは飲み友だちで親しかったが、事件後の昨年8月ごろから府警に容疑者扱いされ、説明が家族の話と一致しないと、捜査員に「うそをついている。お前が犯人だからだ」と何度も責められた。昨年11月には自暴自棄に陥り、「私が大仲氏を殺害しました」と自筆メモを書いたという。
 メモは翌日撤回したが、同じような調べは続き、任意段階で数十回に上った。元副会長は「何回もやられたら(誰でも)負けてしまう。無実の人でも『やった』と言ってしまうことが現実に起こり得ると思い知らされた」と振り返った。
(http://www.jiji.com/jc/zc?k=201503/2015031900972&g=soc)

強制わいせつ事件と違って「容疑を認めれば帰れる」という利益誘導が通用する容疑ではありません。捜査が終結したわけではなく今後どのような事態になるかはわかりませんが、被疑者男性の虚偽自白についての説明は、心理学的な自白の研究の知見に照らして決して不自然なものではない、とだけは確実に言えます。