だいじょーぶか?
例の毒ギョーザ事件の容疑者が逮捕されたことが報道された際、中国当局の捜査の適正さを疑う声も上がっていたわけだが、日本側の捜査もどうなのよ? というニュース。
- TOKYO Web 2010年5月15日 「ギョーザ事件 袋に穴 科警研」
二事件では、千葉市と市川市で二〇〇七年十二月と〇八年一月、ギョーザを食べた七人が農薬「メタミドホス」による中毒を起こした。千葉県警は事件直後ルーペを使った目視や水漏れ検査を実施したが、穴は見つからなかったとしていた。
〇八年一月に同じく被害が発生した兵庫県の事件の袋からは、兵庫県警の鑑定で穴が見つかっていた。千葉県警は、男が身柄拘束された後、科警研に再鑑定を依頼。科警研が顕微鏡を使って調べたところ、穴が判明した。県警の捜査幹部は重要な手掛かりを見落としていたことについて「当時の鑑定が不十分であったと言わざるを得ない」とミスを認めている。
なにかわからない手がかりを探していて見落としたというのであればわからなくもないが、この事件の場合最初から包装に穴があるかどうかが焦点の一つであったはずで、にもかかわらず「一〜二ミリ」の大きさの穴を二つとも見落とすというのはちょっと信じがたいずさんさ。冤罪を疑われる事件では後になってから「なんでそんなのを当初見落としてたの?」と思わざるを得ない状況で“証拠”が見つかることがある(典型的には狭山事件とか袴田事件など)。この事件の場合兵庫県警は穴を見つけていたわけなので千葉県警のでっち上げということはないのだろうが、無駄に捜査を迷走させた一因になったとは言えよう。