鶴田浩二じゃないけれど・・・


基本的な物理法則は比較的誰でも理解できるのに対し、経済についてはなぜこうした錯覚が出回るのか不思議なのだが、これを日本の経済学教育の不備と考えるのか、それともある程度人間に普遍的な錯覚と考えたらいいのか、よくわからないところがある。

「基本的な物理法則」といってもいろいろありますが、「熱力学第二法則」なんかだと公教育でどれだけきちんと教えられまたそれがどれほど定着しているかはけっこう怪しいのではないか・・・というのはさておき、なにしろわが国は前の前の首相が「満州国はドイツの権益を引き継いだもの」などといった歴史認識を持っていたり、張作霖爆殺がスターリンの陰謀だという歴史認識を持つ人間が航空自衛隊のトップだったりしたわけで、別に経済に限ったはなしではないでしょう。犯罪報道でも「凶悪な少年犯罪が増えており」みたいなのがあいかわらずまかり通っているし。自分が関心をもつ分野でそういうことがあると特に目につく、というだけで。確率についての素朴な直感が確率論の知見とはかなり乖離していることなんかについても研究がありますしね。卑近なところではスポーツに関する言説なんてトンデモのオンパレードですよ。まあ私が見るのはもっぱらプロ野球だけど、「先制点をとった方が有利ですね」とか「先頭打者を出さないことです」とか「次の1点をどちらがとるかがポイントです」などといったおよそ無意味なことばが電波にのって全国津々浦々に届いているわけですから。


追記:そうそう、偽ユダヤ人の「サンヘドリンでは全員一致は無効」という与太が21世紀になっても全国紙で援用されていた、という事例もありましたな。