そこはもうちょっと・・・


非国民通信 「脳内エロゲと性的抑圧
エロゲー業界(及び購買層)の実態を著しく無視した「どうせこんなものだろう」という思いこみに基づいて書かれた」議論を批判する一方で「あまりテレビは見ないものですから推測の域を出ませんが」というのは・・・・・・。当該番組は夜中にザッピングしていて行き当たったことはあって、その時間、しかも週末ともなれば海馬のアルコール消毒がばっちり済んでるから「やたらラブホだらけ」という印象以外にいま具体的に例示できる内容についての記憶なんてないんだけど、まあBPOがとりあげるのは無理ないだろうなと思いますよ。テレビが「お茶の間に一台」だった時代ならともかく。

(・・・)そうした諸々の「性表現」への規制がもたらす結果は何でしょうか? こうした社会で人々は、(とりわけ女性の)性とは人目に晒してはいけないものである、後ろ暗いものである、そんな感覚を身につけるのではないでしょうか?

 例えばスポーツ選手の場合、その競技能力は人に誇れるもの、人前で披露して金が取れるものです。でも性的魅力ってのは、何かと微妙ですね。それを白眼視する社会の目がある。だから性的魅力を前面に出すより、隠すことが求められる。

当該番組は普通にみる限り、女性が性的主体として性的魅力を自律的に表現することをエンカレッジするものでは全然なくて、むしろ「性とは人目に晒してはいけないものである、後ろ暗いものである」という性道徳とばっちり共犯関係にあったんじゃないかな。だからこそ深夜の放送なわけで。
じゃあセクシュアリティーの問題を真面目にとりあげたドキュメンタリーとかであればゴールデンタイム(サンテレビの場合プロ野球シーズンは勘弁してあげるとして)に放送されるのかといえば、そもそも企画すらされんでしょう、そんなの。という意味では確かに「性とは人目に晒してはいけないものである、後ろ暗いものである、そんな感覚」は問題なんだけど、夜中のエロ番組を突っ張って放送続けたところでどうにかなるようなことでもないよね*1


とはいえ、エロコンテンツはわかりやすく叩けるから叩かれてるだけで、「プロジェクトX辺り」はどうよ? という点についてはまったく異議ないですが。「スーパーヒーロータイム」のCMとかみてると「アンチジェンフリのみなさん、安心して下さい。日本の子どもはばっちり“伝統的”なジェンダー秩序を叩き込まれて育ちます」と思うしねぇ。

*1:ただし「局があっさり打ち切り決定したから一件落着」ではたしかにマズい。BPOなり局なりが「なにが問題だったのか」をきちんと議論して明らかにすれば単なる「性とは人目に晒してはいけないもの」論とは区別されうることになる。この注、追記。