不可解な反論をするひと

「横槍」とかはべつにどうでもいいんですよ。ネットで自説を主張した以上、いつ誰からそれについて批判されたって文句は言えないんだから。しかし、ですな・・・・・・。問題とされている私の認識は次の通り。

カルデロン一家は出て行け」と主張する(ないしそうした主張にシンパシーを感じる)グループと「カルデロン一家に在留特別許可を」と主張する(ないしそうした主張にシンパシーを感じる)グループとを対照した場合、前者の方に満州事変以降の日本の歩みを肯定・免罪・相対化する傾向が強くあることはことさら実証してみせる必要もないことでしょう。

保守派や右派に分類される人びとの中にも「満州事変は侵略戦争だった」と考える人がいること、「カルデロンさん一家全員に在留特別許可を与えるべきだった」と考える人がいることは、もちろん承知してますよ。私はここで保守派、右派はみな排外主義者で歴史修正主義者である、なんてことを言ってるわけではないし、「保守派、右派の過半数は排外主義者で歴史修正主義者である」とさえ言っていない。逆に左派の側に移民排斥を主張する人間はいないとか歴史修正主義者はいないと言ってるわけでもない。言っているのはただ「カルデロン一家は出て行け」と主張する(ないしそうした主張にシンパシーを感じる)傾向と「満州事変以降の日本の歩みを肯定・免罪・相対化する」傾向との間には有意な相関がありますよね、ってことでしかない。で、そうした相関があること自体は自明だと思うからいちいち実証的な根拠を探してきたりしてないだけ。で、matsunaga氏も「まあ一般的に現在のところ「ウヨク」=「排外主義者」という傾向があることは事実だけれども」と、事柄の半分については認めているわけである。では一般論として右派の方に「満州事変以降の日本の歩みを肯定・免罪・相対化する」傾向がある、ってことを否定するつもりなのだろうか? しかしエントリを読む限りではそういうわけでもなさそうである。
ある集団の「傾向」について話しているときに「いや、オレもその集団に属しているがそんなことは考えてない」といって反論されても困ってしまうんで。別に例外なき一般論として主張してるわけじゃないんだから。反論するなら2つの傾向に有意な相関がない(あるいは逆の相関がある)、と言ってもらわないと。自身が属する集団(がもつ傾向)についての事実を指摘されると「グループ化したレッテル貼り」だと反応するのはネットでよく見かける現象だけど、それこそ「レッテル貼り、というレッテル貼り」だよね。