足利事件、再審か?


 栃木県足利市で一九九〇年、保育園児=当時(4つ)=を殺害したとして、殺人罪などに問われ、無期懲役が確定した菅家利和受刑者(62)が無罪を訴えている再審請求の即時抗告審で、東京高裁が嘱託したDNA型の再鑑定の結果、園児の着衣に付着した遺留物と菅家受刑者のDNA型が一致しなかったことが分かった。東京高裁が正式な鑑定書の提出を受け、再審の開始を決める可能性が出てきた。


 菅家受刑者の無期懲役が確定した二〇〇〇年の最高裁決定は、DNA型鑑定の証拠価値を初めて認め、有罪の有力な決め手としていた。


 関係者によると、今回実施された検察側と弁護側がそれぞれ推薦した鑑定人の鑑定結果が、いずれも遺留物と菅家受刑者のDNA型は不一致と出たという。鑑定人からの報告書は月末にも東京高裁に提出される見通しという。

DNA鑑定が事件捜査に導入され始めた時期の有名な事件であるため、影響は大きいのではないか。この事件もまた「虚偽自白」をともっている。

 菅家受刑者は任意の調べを受けた当初、容疑を否認していたが、DNA型が一致していることを取り調べで指摘された後に認める供述を始めた。一審の公判の途中から無罪を主張。最高裁は二〇〇〇年七月、DNA鑑定について「科学的に信頼できる方法で実施され、信用できる」と判断した。

自白に至る経緯については、菅家受刑者の支援団体のものと思われるサイトに解説がありました。はっきりと「菅家受刑者を支援する」という立場からの解説ですが、それを信じる限り虚偽自白の一般的なパターンに見事に合致しているようです。