横浜事件再審、またしても「免訴」

asahi.com 2009年3月30日 「横浜事件、再審また免訴 地裁判決、有罪・無罪判断せず」(魚拓
YOMIURI ONLINE 2009年3月30日 「「横浜事件」第4次再審請求、判決の要旨


これまで何度も言ってきたことだが、横浜事件が単なる「特高の拷問、でっちあげを裁判所が追認」した事件にとどまらない意味をもつのは、敗戦(ポツダム宣言受諾の公表)以降に有罪判決がでている、ということによる。もちろん、これから事態がどのように展開してゆくのか不透明であった時期のことで、難しい状況におかれた裁判官には同情の余地もあるだろうが、しかし司法が敗戦後にもなお治安維持法が代表する暴力的な統治に積極的に加担したことを示す事例なのではあり、戦後の司法制度の正統性にも関わる事件であるはずだ。
免訴」という結果がテクニカルな観点から見て不可避なのかどうかを判断することは私の手にあまるが、仮に不可避だとしても免訴判決出してはいお終い、であってはならないはずだ。裁判所の歴史意識が問われている。