頑なに「食卓」しか心配しない水産資源報道

記事によれば台湾漁船によるサンマの漁獲が増えたのは「平成20年ごろから」で、平成25年でも18万2千トントされています。この台湾漁船による漁獲には「乱獲」という表現を用いるのに、「昭和55年ごろから20万〜30万トン」だった日本漁船による漁獲には「乱獲」という表現が用いられていません。ずいぶんと手前勝手なはなしです。さらに、見出しには「中国輸出?爆食い?」とあるにもかかわらず記事中には中国での消費実態にはまったく触れられていません。中国の富裕層、中産階級の人数はすでに日本の人口を大きく超えているわけで、彼らがごく普通に消費するだけで日本の消費量と肩を並べることになるのは小学生にでもわかる計算です。それを「爆買い」などと評して敵意を煽る一方、心配しているのはあくまで自分たちの食卓だけ(「このまま押され続けると、日本の食卓からサンマが消える日も来るのではないか」)というあたり、日本のメディアのダメ報道のお手本のような記事になっています。