そりゃ削れば平らになるよね、というはなし
- TOKYO Web 2012年9月3日 「魚種の30%は過剰漁獲 日本で多い消費、削減課題に」
マグロやタラ、イワシなど世界の主要な漁業資源のうち、適切なレベルを超えて過剰に漁獲されている種が約30%、漁獲量をこれ以上増やすことができない種が約57%との調査結果を、国連食糧農業機関(FAO)が3日までにまとめた。日本で好んで消費される種も多い。
(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012090301001447.html)
「漁獲量をこれ以上増やすことができない」魚種とは " fully exploited stocks, which produce catches that are very close to their maximum sustainable production and have no room for further expansion and require effective management to avoid decline" とされている。つまり“現状程度なら獲り続けて大丈夫”という意味ではない。そして残るわずか約13%にしても、漁獲高を大きく増やす余地があるとは限らない。"they often do not have a high production potential and require proper management plans to ensure that any increase in the exploitation rate does not result in further overfishing" とされている。なお、FAOのレポート全文はこちら。
- YOMIURI ONLINE 2012年8月28日 「ニホンカワウソ、絶滅指定…環境省レッドリスト」
環境省は28日、絶滅の恐れのある国内の野生生物を、絶滅の危険度ごとに分類したレッドリストの改訂版をまとめ、哺乳類のニホンカワウソを「絶滅」に指定した。
リストが公表された1991年以降、哺乳類が絶滅に追加指定されたのは初めて。また、二枚貝のハマグリが新たに「絶滅危惧2類」(絶滅の危険が増大)に指定された。
(http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20120828-OYT1T00594.htm)
スーパーの鮮魚売り場ではもう長いこと国産のハマグリなど見たことはなく、たまにデパ地下や鮮魚専門店で見かける国産ハマグリにしてもチョウセンハマグリ(名前から想像するのとは違って日本近海に自然に生息)であるケースが多いわけなので、消費者視線でいえばすでに絶滅しているようなもの。個人的には、ウナギ以上に買うのを避けてきたもの。環境省のプレスリリースはこちら。
- TOKYO Web 2012年9月6日 「トロール漁で深海が平らに 「破壊的だ」と研究者」
【ワシントン共同】船で網を引いて深海底の魚介類を一網打尽にする底引き網(深海トロール)漁によって、海底地形が広範囲にわたって平らな状態になっているのをスペインの研究チームが地中海での探査で明らかにし、5日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012090501002045.html)
5日に『ネイチャー』のサイトに掲載された記事はこちら。「鋤きをかけた畑」みたいになった海底の写真も掲載されている。
しかし「底引き網」って、つくづく恐ろしい漁法を考えついたものである。