『プロメテウス』
『エイリアン』って、子どもの頃に始めて親抜きで観に行った映画で、当時はまだまだ残っていた地元の二番館だか三番館で観たのだけれど、プロジェクターやスクリーンの性能が低いからだろう、結局エイリアンがどういう姿をしているのかさっぱりわからなかった。もともとはっきり見せないように撮ってはいるわけだけど、作り手の意図を越えて見えなくなってた。後年、テレビで見て「なんだ、ちゃんと写ってるじゃん」と思った記憶が。
その『エイリアン』のプリクエルということになっている『プロメテウス』だが、真面目にプリクエルとしてつくるというよりはプリクエルを名目に新しいシリーズをつくってる感じ。予告編を観てもわかる通り、テクノロジーの水準が『1』はおろかその後の『2』〜『4』と比べても進んでいるとしか思えない。まあ70年代終わりにつくられた映画のプリクエルをいまつくるとなると難しい問題はあるだろう。いまさらモニター画面がCRTだと違和感ありまくりだろうし。
もうすでにネットにあがっているネタバレレビューで指摘されているように、「なんじゃこりゃ?」と思わされるシーンが多々ある。その一部は意図的な曖昧化のようなのだが、明らかに脚本が杜撰としか言いようがないところも。タイトルは『エピメテウス』の方がよかったんじゃね? と思わされたり。例によって観ていて楽しい絵はいっぱいありましたけどね。キャストではシャーリーズ・セロンがよかった。当初は主人公の役にキャスティングされてたらしいけど、こっちの方で正解でしょう。